オールナイトニッポンの放送時スクリプト。軍団メンバーらが当時を振り返るインタビューが挿入されていますが印象深かったのはディレクター氏のたけしさん評。これだけどぎつい内容、放送コードすれすれの内容で放送を止めようと思ったことはなかったか?の問いに対し、「それはない。たけしさんは”ギリギリの線”をよく心得てしゃべっていたし、(ホテルニュージャパン火災や日航機事故をネタにしたときも)遺族の方々の話ではなくニュージャパンの横井社長のことを喋っていた、だから抗議も一切無かった」。
聴いている側がはらはらしてしまうような空気って、今のお笑い・芸人ブームからは一切感じられませんが、この当時のたけしさんにはそういう痺れるような危なさが確かにありました。エネルギーというか、「熱い時代」でしたね。そう言えば今をときめく東国原知事も「おい、東!」とこんなことやらされてたんだなあ・・・と懐かしいネタばかり。内容的にちょっと食い足りなさを感じたくらい。活字にしても面白いもんですね。
『ビートたけしのANN』入門書おすすめ度
★★★★★
高橋源一郎さんが倖田來未さんの発言が物議をかもした件について「おれは流出元がオールナイトニッポンと聞いてびっくりした。オールナイトニッポンってさ、ビートたけしがパーソナリティをやって『ババア、さっさと死ね』とかいってた番組ではなかったのか」とかいっていた。
松尾スズキさんは「熱い季節に誰もが熱くなったりするロックが私に必要なかったのはたけしさんがいたから」とまで語っている。
本書を読むと「なるほど」と思える。若造の僕もたけしさんがなぜある人々(40代くらいのお笑い寄りのサブカルチャーな人たちに多い)から「殿!」と親しまれているか、その理由がわかった気がした。いうなれば本書は『ビートたけしのオールナイトニッポン』の入門書である。金鉱山の入り口である。しかし、地下にはまだまだ金脈が眠っている。それにアクセスする術を我々は持たないのだ。私は何を言わんとしておるのか。「もっと読みたい(聴きたい)!」ってこと。
一気に読んだおすすめ度
★★★★★
本当に本当に面白い。そしてタケシの偉大さを知った。
映画監督でなくても、賞の権威など何もなくても、
このオールナイトを聞いていた世代の人間は、
タケシを何となく「神」だなあ、と思ったのだろう。
ここに収録されているものはだいたいが
いまだったら放送できないだろうなーと思われるようなものばかりだけど、
とりわけ「キドカラー大道事件」と「札幌の女事件」の回は、絶対ムリと思う。
しかし、やばいからこその面白さがある。
危ういものが電波に乗って流れていて、それをリアルタイムで聴いているという感じ、
これが魅力だったのだろう。
また、浅草キッドのインタビューが当時の熱気をよく伝えてくれていて、面白い。
あっというまに読んでしまった。
もっと読みたい!
おすすめ度 ★★★★☆
雑誌「hon-nin」に連載された
「ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選」
をまとめた本です。水道橋博士、さくらももこ、
玉袋筋太郎、森谷和郎(当時のD)のインタビュー
(さくらのみメールでの返信)と6本(書き下ろし1本)
の傑作選が納められていますので、「hon-nin」
を毎号購入された方にも少しお得な内容です。
木曜深夜、カセットデッキをセットして楽しみに
待っていた方なら、当時のたけしのスピード感、
カミソリのような切れ味のトークを再現できると
思います。今読むとその過激さに驚きますが
とにかく面白くて夢中で読みました。
残念なのは2時間のトークを本にまとめると
ほんの少ししか読めないことなのです。
たった6本では物足りない。書き下ろしをもっと
入れて欲しかったので星4つ。そして是非2冊目
もお願いしたい!そして可能ならば、水道橋博士の
オールナイトニッポンCD化の実現を願います。