拝啓 大阪府知事橋下徹様―あなたは日本を変えてくれますか? (YUBISASHI羅針盤プレミアムシリーズ)
著者である大阪府池田市長の倉田薫氏は選挙戦の最中に橋下氏と対面し、それ以来相談を受けたり提言をしたりという関係だったようだ。その最初の出会いから現在までの橋下知事の行動、自分とのやりとりや所見を述べていて面白い本だった。こういった背景と経緯があったのかと教えてもらったように思う。
倉田氏は橋下氏のやり方の問題点を指摘をしながらも相変わらず期待していることが分かる。実際に関係を持ってきた人の視点からこういうふうに整理されると橋下氏に期待する人の気持ちも理解できなくはない。しかし、この本で紹介されている倉田氏の見方は、大阪府知事としての彼の政策の評価を保留した上でのものに思える。
中程に挟まれている平松大阪市長との対談の中で、橋下知事が住民の利益を軽視しがちであることが指摘されている。著者自身の口から言うのは避けて対談の中で平松市長に言わせて問題意識を提示しているというところだろうか。
倉田氏がこの本を通して問題提起したいのは、橋下知事の独りよがりな物事の進め方、協調する姿勢に欠ける点であると思われる。倉田氏は、国から地方分権を獲得するために「『新党・大阪』立党宣言(案)」という文書を橋下知事に渡したという。この文書についての回答は得られないままだが、倉田氏は以下のように述べている。
「そもそも私は、大阪維新の会が大阪都を実現するため、新しい自治を生み出すための政治勢力だとは思っていないことを申し上げておきましょう。ほんとうに新しい自治のかたちをつくる、大阪からそのメッセージを発信する地域政党は、やっぱり橋下知事を党首とする、大阪市を含めた43人の首長を党員とする「新党・大阪」だと思っています。」(131)
倉田氏は国と戦って地方分権を前進させる仕掛け人としては橋下知事を支持するというスタンスだということだろうか。「橋下氏の行動力や駆け引きの能力には群を抜いたものがある、その矛先を間違えなければ大阪全体にとって有益だ」という姿勢かと思う。
しかし、筆者から見れば、橋下知事は個別の府政で失策をしすぎた。首長としてはあまりに無能すぎる。無能といって悪ければ、意識が低すぎるといおう。これが明らかになった現在では切り込み隊長として容認することすらできない。即刻退陣して欲しいというのが正直な気持ちだ。
橋下氏が内向けの虐待のようなことをやめて、大阪市や周辺自治体との連携を重んじながら国に対して地方分権を働きかけていくようになったら支持してもいいかもしれない。しかし、それにしても失点が多すぎる。筆者の現時点での不支持は変わらないし彼のやり方の不当性を告発することもやめない。
倉田氏は全面的な支持を表明しているわけではない。橋下氏が住民の利益を重んじ、他者と協調できるように変わる限りでまだ期待を捨てていないのだ。筆者が彼を支持できないのは彼の人間性が気に食わないからではない。彼が明らかにおかしなことをするからだ。そして、彼の支持者も彼が「おかしなこと」をするのを喜んで支持しているわけではないだろう。
筆者が見ているTwitterのタイムライン上では橋下氏の支持者は「信者」と揶揄されている。橋下氏への期待感をふくらませるあまりか、支持者の多くが彼のおかしなところを見ないからだ。支持者は彼に何を期待しているのか。
倉田氏がそうしているように、支持するのだとしても、期待する部分と実際の彼の行動の評価とは分けなければならない。筆者はもう「信者」にはうんざりしている。
参考:「橋下ワクチン開発室」 http://www.geocities.jp/miirakansu/vaccine.htm
橋下「大阪維新」の嘘 (宝島SUGOI文庫)
外観は怪しげな本だが内容は濃い。
黒田了一府政への評価、同和問題へのスタンス、府議会共産党の活躍の記述の多さ、登場する組合幹部は全労連系、など、党派色は明らかだが、個別の論点に事実の裏付けがあるので、イデオロギーを別にしても得るところが多い。取り上げる事実の圧倒的な量も共産党系の色とも言えるが、それが有効に機能していれば書籍の疵ではなかろう。
本書は'08年刊『橋下「大阪改革」の正体』に大幅加筆・修正を加えたものだが、文庫化にあたり最近の事象を補った第1章・第2章は、個々の事実の解釈を急ぎ気味で、やや論旨が甘いところがある。
たとえば、大阪都構想批判にあたり、まず堺市の検討協議会参加拒否を挙げ、それだけを根拠に、はじめから絵空事だった、と断ずるが、弱い。逆に、その後に続く二宮神戸大教授の議論などをもう少し丁寧に紹介したあとで「現に堺市も離脱した」と続けるぐらいが適切だろう。
前掲書に修正を加えて再録した第3章以下に読み応えがある。
「既得権への切り込み」で喝采を受ける橋下氏が、障害者援助制度の比較的少額な(しかし対象者の生活基盤への影響は大きい)予算をカットする一方で、別のより大きな既得権は保持することを事実の積み上げで示していく。(公共投資を悪と決めつけがちな姿勢には疑問があるが。)
橋下氏の手法は明らかに(暴力行使以外)ヒトラー的だが、だから駄目、とも限らない。目指すものの「中身」が違っていれば意味合いも変わる。もっぱら手法や発想のスタイルをあげつらい情報量の少ない批判本(たとえば『橋下主義(ハシズム)を許すな』)の弱さはそこにある。
その「中身」の検証を豊富な事実の積み上げで行った本書には、党派性に違和感を感じる部分はあるものの、資料として一読の価値がある。
橋下主義(ハシズム)を許すな!
敬愛する内田先生が登場しておりました。
この本を読み、落ち着いてやや注意深く観察してみましょう。
ここ数年来ことあるごとにメディア等を舞台として実にありふれた、空疎でヒステリックな言説をのべつ幕無しに繰り返し
ついには市民のバランス感覚を極度に狂わせてしまったという事実は明らかで論をまたないでしょう
彼が何をしようとし何を市民に要請しそれを受けて、いかなることが起こるかを考えると怯えと恐怖を感ずるばかりです。
多方向に向けられる彼の他者への罵倒や貶めぶりに何らかの症例的兆候を読み取るべきではないでしょうか。
彼は「排除」の思想を持っているのではないでしょうか
今まさに「危険水域」に達しようとしてるんじゃないでしょうか
非力な市民は真っ先に犠牲となってしまうことでしょう。弱者の声はかき消され行くのみです。
単なるナルシスティックな一地方政治家が暴れてるだけだと切り捨てて無視してしまうことは簡単ですが、それだけではダメなんじゃないでしょうか
ふたたび冷静になって思い直すこと。声を出し立ち上がって団結し実践すること。
あの時何かすればよかったと今となっては惜しまれる・・・そういう状況だけは避けなくてはなりません
大阪のみならず、さまざまなレヴェルで否応なく暴力的に(正統であるかのように)日本国中を蝕んでいくのではないでしょうか。
体制維新――大阪都
マスメディアが橋下徹氏を「独裁者」と激しく攻撃しているので、興味津々に本書を手に取って読んでみた。橋下氏の主張は明快である。この20年間日本はずっと下がり続けてきた。仕方を変更してみても(政策転換)、人を替えてみても(政権交代)良くならない。最後の道は体制(システム)を変えるしかない。大阪都を作って、東京都とともに、世界の大都市間競争に勝ち残っていかないと日本の将来も危うい。大阪市の区長(現在は市長の任命する役人)を東京と同じく選挙で選ぶシステムにえることによって、区民の細かい行政ニーズにマッチするようにする。大阪都構想は「外に強く、内に優しい」街を作ることだ。そして、政治家と行政官の役割を明確化することで効率的なマネジメントを実行するという。ぼくは大阪人ではないが、いいじゃないか。ええじゃないか。みんな関心をもって議論して、日本を復興させるシステムにしようじゃないか。
ドラマCD 機工魔術士~エンチャンター
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