MUSIC MAGAZINE ( ミュージックマガジン ) 2010年 10月号
堀込兄弟はもともと説明がうまいので、インタビューが非常に面白かったです。
時代を遡ってみたときに、当時の時代背景や流行していた音楽の傾向、
自分たちの客観的立場から気分まで、お二人とも事細かに憶えていて、
楽曲をどのようにつくっていったか、それがどのように受け入れられていたかを的確に分析しています。
このインタビューが面白いと感じたなら『自棄っぱちオプティミスト』もおすすめ。
さらに詳しい話が読めますよ。
逆に『自棄っぱち・・・』をすでに読んでいる方も読んで損はしないと思います。
ただ、残念だったのが「アルバムガイド」以降の記事です。
きちんと書いているライターさんもいるのですが、うわべだけのレビューが多くて不快でした。
ライターの個人的な趣向はプラスに、はたらくこともありますが、
客観性を完全に失い、偏愛ばかりを全面に出した文章はミュージシャンを軽く扱っているようにしか見えません。
他ページのCDレビューも同様でした。特集ならなおのこと。しっかり書いてほしいです。
インタビューはよかったので☆4つです。
ミルウォーキー・アット・ラスト! [DVD]
このライブDVDは、「リリース・ザ・スターズ」のひとつとして行われた合衆国中西部ミルウォーキーでの公演を収めたもの。ちなみに、昨年日本でも行われたライブとほぼ同内容の趣。
同内容でDVDより若干曲数が少ないCDも同時リリース。
監督、撮影はアルバート・メイスルズ。あのローリング・ストーンズの「ギミ・シェルター」などを撮った人物で、今年でなんと83歳(!)になるという。
ストップ・モーションを活用し、ルーファスのみならず、オーディエンスの表情を捉えたカメラは、さらにバック・ステージへと入り込み、メンバーの面々の素顔に迫っていく。
以前、紹介した故ジュディ・ガーランドが1961年に行った公演を再現した「rufus! rufus! Rufus! does judy! judy! judy! live from the London palladium」では、あまり感じられなかった ルーファスのゲイとしての側面が(筆者には、むせ返るほどに)前面に出ているのも見もの。
何せ、恋人のボーイ・フレンドが現れ、ステージ上で、バック・ステージで、濃厚なキスを交わすのだから。
肝心のライブは、ホーン・セクションの3人を含む、7人のメンツを従え、豪華祝欄に繰り広げられる。
「リリース・ザ・スターズ」の楽曲はもちろんのこと、ジュディ・ガーランド関連のレビュー、そして母親のケイト・マクギャリグルに教わったというアイリッシュ・トラッドをマイクを使わず歌ったり、途中、観客を舞台に上げたりと、サービス満点の内容であるが,本公演のハイライトは、なんと言っても、アンコールにある。
たった今シャワーを浴びてきたばかりと言わんばかりの白いバスローブ姿で登場し、2曲歌った後、観客に正面を向き合って座り、イヤリング、指輪、そして口紅をつけ、ハット、タキシード、タイツの全身黒ずくめの「ジュディ・ガーランド」に変身しての「get happy」は抱腹絶倒の面白さ。
バック・バンドの面々も、ミュージカル風パフォーマンスで、華を添える。
そして、その姿のまま、ギターを抱えて歌うラスト・ナンバー「ゲイ・ミサイヤ」(ゲイの救世主の意)では、神々しさすら感じさせ感動的である。
以前から、オペラへ傾倒しているというルーファスは、このツアー後、オリジナルのオペラを作曲し、今年既に、上演を果たしているという。
この偉大なアーティストは、すでに次なるステージに進んでいる。
ムーラン・ルージュ オリジナル・サウンドトラック
映画を観た人もこれから観る人も聞いて損はしない1枚。
全体的にアップテンポの曲が多く、思わず踊り出したくなること請け合い。
かと思うとしっとり聴かせる曲もある。
ユアン・マクレガーや二コール・キッドマンの意外な(?)歌唱力にもびっくり。
映画では使われなかった数曲もポイントが高い。
惜しむらくは 映画中 もっとも笑いを取っていた ライク・ア・バージンと天国と地獄(カステラ一番?)が入っていないところか?
オリジナル・サウンドトラック~ブロークバック・マウンテン
不眠症に悩まされていた小説家でありスクリーンライターのダイアナ・オサナ(脚本&プロデューサー)がアニー・プルーのブロークバックマウンテンをアメリカの雑誌ニューヨーカーの10月13日号で読んでから映画化まで8年。そこまでの道は長く険しかったとか。
小説、映画、スクリーンプレイも星5つなのですが、サントラも絶対星5つ!カントリーミュージックが苦手な私ですが、アメリカ版をアマゾンで購入してからはほとんどこればかり聞いています。内容も曲調も明るくてもこれは悲恋の映画。泣けてきます。
シュレック ― オリジナル・サウンドトラック
大ヒットとなったスーパーアニメムービー「Shrek」。もう
平面アニメを見る気にならなくなるほど素晴らしい映像だが、曲の方も楽しい
感じになっている。
きれいなバラードと明るいポップといった感じのアルバム。バックストリート
ボーイズのニック・カーターの妹レスリーが参加しているのが注目どころ。
エディ・マーフィーも歌っている。
映画のエンドクレジットに流れた曲をそのまま録ったような作品で、子供も
大人も楽しめる。