鐵のある風景―日本刀をいつくしむ男たち
金を失う「鉄」ではなく、金の王なる哉「鐵」(流星刀の女たち)の魅力に溢れた本。骨董というと一般には陶芸を中心に語られます。(青山二郎、小林秀雄、白州正子など)ところが、森氏は、「正直いって、僕は焼き物には格別の興味はない。他の美術工芸品に比べて、評価の基準がうさんくさい。」(P142)と言い切っています。確かに国宝にもなっている井戸茶碗が未だに朝鮮の雑器か、朝鮮の祭器かはっきりしていない。(実ははっきりして自分の無知かもしれません。誰か御教授ください。)
「職方たちとつきあって、教えられたのは、貧乏でも人生は楽しむことができる、ということだ。本書で、せめてその楽しさだけでも伝わるだろうか。」(P219) はい、伝わりますよ。お金に余裕がある人は、本屋に急げ。
高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-
森雅裕の10年ぶりの著作ということで、早速買って読みました。
第1章から第5章まではタイトル通り、著者がコンビニの店員として奮闘する体験記で大変おもしろい。しかし最終第6章、この章では著者の現状が記されているのですが、その内容に私は驚きと悲しみを感じました。そして読み終わった後、私はこの本を図書館から借りるのでもなく、中古で入手するのでもなく、新刊を買って本当に良かったと思いました。
森雅裕ファンの方には、本作品を買って読まれることを強くお勧めします。第6章を読めば、私が何故このようにお勧めするのかがわかると思います。
化粧槍とんぼ切り
ほとんどの方が本多平八郎忠勝と聞いても誰?と、 言う返事が返ってきそうですが、徳川家康はご存知 ですよね。その家康公の天下統一のために全身全霊 を打ち込んだ「本多中務大輔平八郎忠勝」は、“徳 川四天王”“徳川十六神将”とうたわれた猛将なの です。武田軍の落首に「家康に過ぎたるものが二つ あり 唐の頭に 本多平八」とありますが、その生涯
57度の合戦において切り傷一つ負わなかった槍術 の達人でした。ご愛用の名槍の号は「とんぽ切り」 と言われ、とんぼが槍先にとまったとたんにヒラリ と二つに切れてしまうほど切れ味が鋭かったそうで す。この名槍「とんぼ切り」が一つのキーワードに なって繰り広げられるこの時代小説は、秋の夜長を 幻想的に過ごさせてくれます。本多忠勝公ファンは
無論の事、歴史好きな方には特にお勧めしたい一冊 です。読み終わって、白檀のお香を焚いている貴方 の姿が見えるようです。
BREAKING GENERATION
当時高校生だったメンバーが、たった1年弱の間に全てのオリジナル曲をつくり、月に何度もライブをこなした。自分達でチラシ(今はフライヤーって言うんだっけ)をコピーし切り貼りし、レコード屋に置き、ライブハウスの外で配って告知した。タバコの煙と大声じゃないと聞こえない会話の中で、パンクの音が踊ってた。ルート66は、キャッチーで楽しい曲ばかりだ。これが当時高校生だった彼らがストレートに、70年代パンクの音にのせてくるんだから、カッコ悪いわけがない。決して巧くないけど、最高にピカピカで怖いくらいにカッコいい。7月には当時のメンバーでライブをやるらしい。あの頃のライブハウスを感じることができる絶好の機会がくる。