栄光のポプコンII
前作の「栄光のポプコン」の第二弾。前作よりマニアックな曲が多数収録されている分、希少価値も高いと言えるだろう。著名な曲は期待出来ないものの、是非とも聴いておきたいのが、辛島美登里の「雨の日」だ。これは彼女が某女子大在学中に作った曲で、正真正銘の辛島美登里のデビュー曲。CDでこの曲に出会えるのはこのアルバムのみであるため、ファンの方は要チェック。残念なのは「雨の日」EPのB面に収録されている「心の街」が未だにCD化されていないことだ。既にCD化絶望と囁かれているが、ここはポプコンシリーズの今後に期待を寄せるしかないだろう。「著名な曲の集大成」のおまけ的存在となってしまったが、「こういう曲もあったんだ」と、温故知新に浸れるアルバムとして楽しむことは可能だ。
ほーぼー
コッキーポップ出身のヤマハアーチストのなかでは、ちょっと異色の
ジャズとブルースのボーカルが心地よいシンガー。
ウオームで枯れたボーカルは日本のマイケルフランクスと称されるほど、
シャレたサウンドを全編に聞かせてくれる。
このアルバム中では、テレビでコッキーポップ主題歌となっていた”君は風”が
一番有名だが、ボサノバ調のミディアムテンポの2番、軽快な明るいサウンドの3番、
暖かいサウンドの6番、8番もいい。
アップテンポの曲より、スローテンポの曲のほうが断然良い。
全く古さを感じない、今で言う、癒し系の部類に入るアルバム。
わが星 『OUR PLANET』 [DVD]
震災から一ヶ月が過ぎたころ、三鷹市芸術文化センターで「わが星」を観劇しました。ラップを取り入れた舞台だと聞いていたので、最初の内はそうかこんな感じかと思って、正直少し退屈を覚えながら観ていました。しかし後半、気づけば涙がぽろぽろこぼれ落ちて最後までずっと泣きっぱなしでした。震災後、一度も泣いてなかったからでしょうか。悲しいわけでもうれしいわけでもなく、ただただ涙がこぼれました。
ちーちゃん(地球)には帰る家があり家族がいた。震災後、それが当り前ではないとわかり、日常がどんなにかけがえのないものか痛感しました。地球が誕生して滅びるまで。人間が生まれて生きて死ぬまで。変かもしれませんが今頃になって生きて死んでいく覚悟ができた感じです。
この舞台を観に行って良かった。たくさんの人に観てほしい作品です。
ヤマハメモリアルヒッツコレクション「年々彩々」~my song・your song~
ヤマハメモリアルヒッツコレクション「年々彩々」はとても懐かしく全曲を聴かせてもらいました。良い企画でした。感謝しています。
小坂明子の「あなた」を当時「生演奏」で聴いた者として、本当に青春時代に戻ったかのようでした。
その中で、もとまろが歌った「サルビアの花」(作詞:相沢 靖子/作曲:早川 義夫)のについて少し語らせてください。
「もとまろ」は当時、青山学院大と短大に在学中の3人の女子大生グループで、ヤマハポピュラーソングコンテスト(1971年第3回作曲コンクール入賞曲)をきっかけにデビューを果たしました。
「もとまろ」の歌唱はとても哀愁があり、泣きそうなくらいに切ない歌詞を淡々と歌います。フォーク全盛時代の曲ですが、そのメッセージ性が当時の若者には受け入れられたわけです。大学紛争を経ても何も変らなかった1970年前半の社会の閉塞情勢とも関係があると思います。
この歌詞の中の「偽りの花嫁」や「教会」のシチュエーションは、有名な映画「卒業」を連想させますが、残念ながらダスティ・ホフマンのように花嫁を抱えて逃げずに、「サルビアの花」の主人公は花ふぶきの中を転びながら泣きながら追いかけるわけで、現実にはそうなるのでしょうね。
あれから30年以上経ちました。「サルビアの花」を覚えている人も少なくなりました。
ただ、青春時代特有の甘酸っぱい思い出を彷彿とするようなこの曲は「エヴァー・グリーン」の輝きを今も放っています。
ONE ON ONE(紙ジャケット仕様)
1979年にレコードを買って、カセットに録音して死ぬほど聴きました。今で言う「ギターソングブック」(当時800円位だったかなぁ)を購入してギターで弾き語りをしたりしていました。幸男さんの初期を知るには「ポプコンマイリコメンド 佐々木幸男」で充分な気もしますが、それには「一人コンサート」がアップされていない。「鬱り気」「セプテンバーバレンタイン」「心から」レコードはここからB面の「雨の日の想い出」「便りにかえて」「尽きぬ想い」と続いていく流れが重要だったりするわけで。
当時、松山千春、ふきのとう、中島みゆき等北海道出身のアーティストが活躍する中にあって異色(特徴的)なコード進行とハスキーボイスで違う路線をばく進していたと記憶しています。(幸男さん自身は北海道の出身ではないが北海道を拠点に活躍していた)
還暦を迎えてなお現役で活躍中です。最近のCDにおいても「都会派」は健在で、北海道中心のライブ活動になっていますが、是非とも西にも進出して欲しいものです。
続く「Tの青春」「Yes」「ジェラシー」「After Dark」の復刻を強く望みます。