謀将 北条早雲〈上〉 (角川文庫)
戦国時代、豊臣秀吉に滅ぼされるまで、小田原城を本拠に五代に渡って関東に権勢を誇った北条氏。その礎を築き上げた、初代・早雲の一代記。衰えたとはいえ、まだまだ侮りがたい力を持つ室町幕府、その出先機関ともいえる鎌倉公方を攻めて打ち破り、下剋上を世に知らしめ、戦国時代の幕を開けた北条早雲、したたか者ながら魅力のある男に描かれています。
たしか北条早雲の前半生は詳しいことがわかっていなかったハズ。そのため自由に想像力をはたらかせられたのか、特に前半、画僧・雪舟との友情や京都の寺での修行など、今川家の守護代につくまでがおもしろい。そのぶん後半は、少し駆け足気味で、いまひとつ盛り上がりに欠けるような気がします。
舞台が戦国時代の時代小説というと、どうしても謙信・信玄・信長・秀吉など、戦国時代真っ只中、といったものが多いような気がします。が、本書の北条早雲のように、その一世代、二世代前にも興味深い男たちの活躍があったんだろうなあ。もっとこの頃を舞台にした小説が増えることを望みます。
BiNETSUシリーズ「ピンクのショパン」ドラマアルバム
優しいボイスなのにキチク… 本当に、子安武人という役者は幅広く役をこなします。 そして、どの役も違和感なく演じてます。 ショパンの調べにのって、あの甘くてちょっとキチクな遥さんを堪能してはいかがでしょうか?
天皇家の忍者(しのび) (角川文庫)
天皇家を守る忍者集団と徳川幕府の攻防が、リズム感あるテンポで描かれ、一気に読んだ。
隆慶一郎のものと違い、天皇家を守る忍者集団を2つに分けたのがみそであろう。
江戸遷都や、寛永寺の建立をからめたあたりは、さすがに南原先生だと思った。
「冠者」という忍者の呼び方もユニークで面白い。
L change the WorLd [通常版] [DVD]
悪役の設定に無理がありすぎた上、Lの最後の敵としてはあんまりな相手だった。
これでもかと見せつけるグロいシーン、「リング」で当てたからって、監督は2匹目の
ドジョウを狙ってるのか?
ナンちゃんがFBI? 何かのギャグのつもりですか?
Lの猫背をさらにひどくしたり、運動神経がないみたいな描き方は「DEATH NOTE」本編に
対する侮辱だと思う。
松山ケンイチが、この作品で描かれるLに納得いかず、監督と何度も話し合ったという
のもうなずける(でも、たとえ主役でも映画全体を変えることは出来なかったんだろうなあ)。
唯一、前半で難事件を数ヶ国語を操りながら次々解決していくLがかっこよかったのと、
俳優たちががんばっていたので星三つ。
僕の「日本人の笑い」再発見 狂言でござる ボケとツッコミには600年の歴史があった
たかがお笑い芸人の本とあなどるなかれ。
意外にまじめな、狂言と笑いについての考察本です。
日本の笑いには、なぜボケとツッコミが必要なのか?
答えは出ていませんが、そういうところに注目している、ということ自体、作者の真剣さがわかろうかというものです。
狂言の練習を通して、体の使い方にまでふみこんだ、なかなかの教養書です。
といっても、肩のこらない本ですので、興味のある方はどうぞ。