Summoning of Muse: Tribute to Dead Can Dance
Gothic好きにとっては、オアシスのようなトリビュート・アルバム。
こういった作品がリリースされることからも、Dead Can DanceがGothic/Ambient系アーティストへ及ぼした影響が多大なものであるか分かる。ArcanaによるThe Arcaneのまさに芸術と言える美しさ…Gothicは聴きたいけれどヘヴィなGuitarとかは要らない…ムードに浸りたい時にピッタリ。Dark SanctuaryやAutumn’s Grey Solaceも参加しているのが嬉しい!
Into the Labyrinth (Reis) (Spkg)
このCDに収録されているCARNIVAL IS OVERには特にやられました。イントロの音でまず異次元空間の渦が開き、どんどん大きくなり回転するラビリンスの中へ自分が迷い込み、ひたすら走り続けるような、そんなヴィジョンが思い浮かびました。それは音に対する私の個人的なイメージですが、ブランドンが歌う歌詞にもまた、別の世界を想像させられます。とにかく、リサとブランドンの声やその他様々なインストリュメンの音によって紡がれるdead can dance独特の音世界が、今まで想像したことも体験したこともないヴィジョンへあなたを誘ってくれるでしょう。
Spleen & Ideal (Reis) (Spkg)
ブレンダン・ペリーとリサ・ジェラルド、二人のユニットになった最初のアルバム。DEAD CAN DANCE の音楽を一言で形容するのは難しいが、この作品に関して言えば、ヨーロッパの宗教音楽 (それも異端派キリスト教、カタリ派とかグノーシス主義のイメージ。あくまでもイメージだが) の雰囲気が濃厚なゴシック・サウンド。二人のヴォーカリストの唱法はそれぞれまったく性格が異なるが、いずれ劣らぬ際立った個性と稀有な表現力の持ち主であり、同じバンドに並び立っているのがむしろ不思議に感じられる。ブレンダンは憂鬱な詩人、リサは古代宗教の巫女といったところ。管楽器やオルガン系のサウンド中心のアレンジは古典的で意外に手堅く、10 数年前にリリースされていたら「プログレ」と呼ばれていたかもしれない。歌い手たちの並外れた表現力と比較すると、曲によってはドラムマシーン主体のリズムトラックはいささか平凡過ぎるし、無粋に感じられる時もあるが、ブレンダンの豊かなバリトンの声はそうした欠点を補って余りあると思う。次作からはロック色が大幅に減退するので、彼らとしては貴重な作品であると言えなくもない。
Serpent's Egg (Reis) (Spkg)
中近東の民族音楽や交響曲など色々な要素が混沌としており、一番難解な作品だが、これを傑作に挙げる人も多い。
バロック音楽のようでもあり、美しく耽美な世界である。