新・日本の七不思議 (創元推理文庫)
約6年振りの歴史検証バトル第三弾。
今回は購入をためらいました。
何故かと言うと歴史検証内容に食指が動きにくい内容だったから。
でも、宮田六郎と若き美貌の歴史学者・静香との歴史バトルを期待して購入。
しかしてその内容は・・・・?
な、な、なんと!宮田六郎と静香が協力し合って謎解きをしているー!!
その姿を傍目ではらはらしながらみているバーテンダー松永の心中や如何に?
ともあれ二人は一緒に旅をしながら歴史検証していくわけですが、前2作の激しい歴史検証バトルを期待していた私にとっては少々複雑な心境ですね。
やはり3作ともなれば変化が必要なのかな?
検証内容も(これは読んでのお楽しみ)前2作に比較すると多少マニアックな内容。
それに宮田の胸のすくよなスカッとした推理が色あせている。
4作目があるか不明ですが、日本史に限定せず「ヒトラーの謎」「恐竜絶滅の謎」とか「オーパーツの謎」「人類創生の謎」なんて内容を取り上げてもらいたいものだ。
努力しないで作家になる方法
著者の小説に出会ったのは,数年前に近所の本屋で特集が組まれていて,おそらく店員の個人の趣味で作られたポップに,著者の作品へのあふれんばかりの気持ちが書きつづられていて,これは読まねばと買ったのが最初。
多くの作品を読んだわけではなく,ファンの方であればまた違った意見もあろうとは思うけれど,本書はいままでの作風とはまた違った一面を見せてくれている。
小説という形をとってはいても,おそらく事実なのだろうと思われる生々しさを持った本書は,よくぞここまでさらけだしてくれたというのが,とてもとても面白さを増している。
ある部分はフィクションなのだろうけれど,著者の視線でデビューまでの17年間を描いた「大作」。新境地を切り開いた今作で,またいろんなものを書いてほしいと思う。
高野秀行さんのブログで本書の発刊を知った。高野さんにも感謝。
九つの殺人メルヘン (光文社文庫)
「邪馬台国はどこですか?」でのある意味荒唐無稽な解釈でワレワレを喜ばせてくれた鯨統一郎氏の本なので、期待して読みました。一応推理小説の形態をとっており、グリム童話にちなんだ事柄から解決へと結んでいます。アイディア自体はとても素晴らしいけれども、作品としてはイマイチの感という印象でした。でも、本作品を読んだ後、グリム童話に関して記された本を読みたくなった(実際に読んだ)から、それ相当に面白かったのかもしれません。
ちなみに、本作品中に様々な所で他の有名作品の様々な暗喩(と、思われるもの)や、様々な事項に関する蘊蓄が語られます。それら全部が理解できていればより楽しめたかも知れず、またそれらをすべてを知らなかったという悔しい気持ちが「あまり面白くない」と感じさせたのかもしれませんね。
ヒミコの夏 (PHP文庫)
「日本農業新聞」連載というのが、
非常にピッタリ来るというのが、まずは第一印象。
今までのトリッキーさとは一味も二味も違う、
正統派な作品だった気がします。
あまりにも正統派故に、途中で展開が読めてしまいますが、
そこをグッと引き付けて、最後まで
ワクワクと読ませるところは流石です。
ラストに向けて、少し、いやかなり
ご都合主義なところがありまして、
そこがもう少し洗練されて入ればなと、勿体無く感じるとともに
このご都合主義だからこそ面白いような気も。
私たちの食べている米は?食物は?
果たして大丈夫なのか?そんなコトが心配で仕方なくなります。