うさぎドロップ [DVD]
芦田愛菜という女優は,CMやバラエティーなども含めて既にお茶の間に過剰に露出していて,しかも皆が期待しているためか,笑顔を作り過ぎていて本人もくたびれていそうだし,そもそも観てる側も,そろそろ飽きてきた感があるかもしれない.
しかしご安心あれ.彼女はTVなんかに露出しなくても,映画女優として立派にやっていけるだろう.
安達祐美が「同情するなら金をくれ」と言った時,彼女には不憫さは無かった.しかし「うさぎドロップ」で見せる芦田愛菜の笑顔は,寂しく孤独で不憫だ.これが彼女の才能か,演技か,それとも地顔なのかはともかく,この表情がストーリーの生命線になっている.すごくいい.松山ケンイチが彼女を「必死に」気にかける行動に感情移入できるのも,あの芦田愛菜の笑顔あってのものだ.しかも彼女の(主演ではなく)助演女優として出過ぎぬ演技には恐れ入る.大人同士のセリフが多少説明的で気になる中で,彼女はノンバーバル(非言語的)な表現を淡々とこなしていく.
わざとらしいドラマチックな演出を排除したために,逆にホロリと泣けるシーンも多々あったり.お勧めです.
うさぎドロップ [Blu-ray]
一つの作品として見れば非常に良くできた家族ものだと思うのですが、原作と比べると色んな意味で別物です。 変える必然性のない登場人物の設定を何故変えてしまったのかどう考えも不必要なシーンを入れたのか不思議でなりません。 脚本も原作とは別物。 別作品と割り切れば良作であることは間違いないと思います。 原作付きの作品で役者に登場人物の性格や設定を合わせてはいかんよ。