英国の薫り
技術だけなら上手すぎるくらい上手いが、何というか所々「お仕事」的に吹いてしまっている感がある。特にポップスのカバーやフィンジの作品は、均質な表現すぎて山がない。かといって感情を廃して「音」に徹しているわけでもないし…ちょっと変った奏者だ。曲によっては最高と思えるものも多いだけに、もう少し練った演奏を聴きたかった。
ノヴェレッテ~木管五重奏曲集~
ソロ活動中心の赤坂達三さんがどんなアンサンブルを奏でるのか、興味津々でCDを購入しましたが期待以上と言うか、すばらしいCDに巡り合えました。
木管五重奏の演奏はバランスが難しく、あるフレーズが出すぎたり、逆にブレンドしすぎてつまらない演奏になることもあるのですが、トウキョウ・ウィンズの演奏はその辺のさじ加減が絶妙といいますか、とにかく聴いていて心地よい演奏です。
全員の音色、音楽の方向性も文句なし!この企画を立ててくれた方に感謝です。
一般の音楽ファンはもちろんのこと、吹奏楽や木管楽器を習っている学生には、ぜひとも聴いてもらいたいと強く思います。
イマージュ2(ドゥ)
一時期、ヒーリングCDがブームになりました。私もブームに乗り、次々と発売される、いろんなヒーリングCDを買い込んで、それぞれ100回以上は聞き、ず~っといやされる気分を味わい続けてきました。人が育ってきた環境や文化、周囲の人たち、年代によって好みは変わって当然なのですが、私としてはこの「イマージュ2」が一番気に入っています。どの曲も心の奥底の何かと共鳴する感覚が生まれてくる感じがします。何度聞いても素直な感動を味わえるのはいいものです。
いろいろと買い込んで気が付いたのですが、私が気に入ったものはどれもシリーズの2作目だということです。「フィール2」は2番目に気に入っているものです。おそらく、作者の思い入れが強い1作目よりも、1作目のある程度の成功にい!やされて少し力が抜け、自らの感覚に素直に作成された2作目の方が意外とヒーリングパワーが強くなっているのではないかと推測しています。勝手な解釈ですが、あまりにもこの手のCDが多くなりすぎているので、何かの判断材料になれば幸いです。
ヴァイオリニストのいる部屋
古澤さんのアルバムは近年の洗練されたクリアなサウンドもいいですが、初期の一流アーティストとの力のこもった演奏もまた素晴らしいものです。まず最初のチャールダーシュから優美な音色に初めうっとりで後半はアップテンポ。ル・カナリーはバイオリンでここまでカナリアのさえずりを再現出来ることに驚き、中間早いテンポの曲あり、再びタイスの瞑想曲でうっとりし、最後はロンドンデリーの歌でしっとり弾きあげています。これほどにそれぞれの曲の特性を上手く表現出来る奏者はなかなか居ないのではないかと思わせられます。録音もいいので、まるで演奏している場所で聴かせてもらっているかのような感じが味わえます。
ドラマージュ ザ・モーニング~NHK連続テレビ小説テーマ集~
このCDにはここ10数年のNHK朝のテレビ小説の主題歌が収録されるようです。ただし、完全にオリジナルな主題歌(8時15分に流れたもの)でないところが残念でたまりません。また、年度も連続性がないところが物足りなく思えます。
個人的には曲を聞けば8時15分が思い浮かぶような、完全オリジナル主題歌集であってほしかったです。かつてレコ-ド時代には第1回の「娘と私」から「おしん」あたりまでの主題歌をすべて収めたレコ-ドも発売されたこともあったのですが、それと同じ趣向でここ10数年の間の主題歌集CDとしてほしかったです。大河ドラマは時折まとまったものがCD化されてますから朝ドラもできるはずなんですが。
今回収録されたものをみても、古いほうで「ひらり」「ええにょぼ」「かりん」「ぴあの」と続いたかと思うと、ぽっかりと「春よ来い」「走らんか」「ふたりっ子」「甘辛しゃん」「天うらら」「やんちゃくれ」などがごっそり抜け落ちてたりして、中途半端な感が残るのはしかたのないことなのでしょうか?
それでも収録されている曲はどれもすばらしいものです。またこれくらい曲がまとまったものは最近では他にはありませんから、このCDでしばらくは8時15分の余韻を夢見ることにしましょう。