地味かつ滋味に溢れた選曲・演奏 おすすめ度 ★★★★★
あるところから、単なる気紛れからか、有名曲に飽きたからなのか、レオンハルトは突如としてこのようなマイナーな曲を集めたアルバムを出すようになった。大家としての彼を知るわれわれにとっては意外なことなのだが、実はレオンハルトは、バッハの成熟した時代の作品以上に、疾風怒涛時代の若書きの作品をうまく演奏することに長けている。それが端的に現れているのは冒頭に置かれたトッカータだ。 バッハの最初に購入するオルガン曲としてはあまりにマニアックなアルバムだが、二枚目あるいは三枚目のアルバムとしては適当だろう。また、本アルバムの演奏に惹かれた方は、チェンバロ作品集である、「組曲ホ短調」その他が収録されているアルバムへ進んで頂きたい。
|