残された人生を陽気に描いている作品おすすめ度
★★★★☆
人の生死がある種のテーマともなりますが、決して悲しい作品ではないです。
こうした類の作品は数々あると思いますが、こちらはまず2大スターの演技も見所でしょう。
人生の期限を知らされた時、それまで何をし、どう生きるか?‥この辺は陽気に描かれてますね。
この二人が作品では主役なのですが、現実、この二人の人生を最後まで見届けた『遺された者』が本当の主役かも知れません‥。遺された者が生涯遂げた二人の後始末をする‥といった最期を締める立場もまた重要なポイントだと思うからです。
映画館では老若男女問わず観客が来場されていた作品です。
人生を充実したものにするヒントの数々。おすすめ度
★★★★☆
ジャック・ニコルソン演じるエドワードが大富豪でなければあり得ないストーリー展開なのだが、ハリウッド流のおとぎ話として楽しめばいいと思う。余命6ヶ月の老人が次々に実現する夢の壮大なこと。死を前にして、いかに充実した人生を過ごし、そして死を迎えるか。私はとても彼らのように湯水の如くお金を使うことはできないだろうが、いつかは死ぬ人間として今からでも実行できることの色々なヒントをこの映画に与えられたように思う。前向き思考で、ユーモアを忘れず、友情を育むこと。やりたいことをリスト・アップし、できたものから消していくこと。老優2人の数々の名セリフも生き方の示唆を与えてくれる。死を目前に迎えた老人の物語なのに、悲壮感はなく、2人が過ごした輝かしい人生最後の時間のいとおしさが余韻となって残る、素敵な映画だ。
年輪を重ね、円熟さを増した“ロブ・ライナー・タッチ”にしみじみ
おすすめ度 ★★★★★
大富豪エドワードと自動車工カーターは共に進行ガン。二人は“本当にしたい事”を、互いを補い合い、後押しし合って実現してゆく。あるヒトが「死ぬ前に大金を使うなら貧しいひとに寄付すればよいのに」といった。でもこれはファンタジーであって現実ではない。映画なんだから、これでもよいと思う。
後半、カーターが家族に囲まれ幸福そうに夕食をとる場面が印象的だ。そして孤独だったエドワードにも、「世界一の美女にキスをする」願い、想いがかなう終盤の一幕。ネタばれはさけるが映画をみた誰もが、彼を祝福してあげたくなる、心の奥底から気持ちが暖かくなるような、そしてホロリとくる名場面とおもいます。
自分も、周りの人たちも、皆、“持っている時間”には限りがある、と気づかされるような映画です。30代で「スタンド・バイ・ミー」をみずみずしい感性で撮ったロブ・ライナー監督も、いつのまにか還暦を越えた。でも、ユーモア、ペーソスをまじえ、人間をいつもあたたかく見守るような彼独特の感性は健在。いや年輪を重ね、熟年に達したからこそ、このテーマを撮れたのではないか。老練な名監督と名優二人が人生の喜びを静かに語る、しみじみとする佳作です。