ストーリーにもう少しアクセントがあった方がよかった。胸躍るアクションシーンを期待しない方がよい作品。ただ、さすが大友作品、絵の完成度は抜きん出てダントツ。これには参りました。
後悔おすすめ度
★★★★★
劇場公開当時、見ようとは思っていたがTVCMでの主人公の声質や抜粋されたセリフ等に子供向けな印象を受け、結局映画館には足を運ばず終いだった。
が、DVDにてやっと作品に触れてみた所、当時抱いていた印象は見事に吹き飛ばされた。
一見安易だが実は先が読めない、話が進むにつれ誰が正しいかわからなくなる展開。親子の対立がいくとこまでいきそうでいかなかったり、カッコつけて一段落かと思ったらまだ終わらなかったりな意外性。そういう意味では決して「わかりやす」くはないのではないだろうか。
産業革命を経て活気に満ちていたイギリスへの憧憬、その時代に生きる人々の生活感等、内面描写が優れていた「AKIRA」とはまた違ったベクトルで監督の世界を表現していたと思う。
声優陣に関しても、主人公の、無垢な中の素直な感情を良く表現していたと思うし、ヒロインの19世紀お嬢様的な御高くとまった感じもハマっていた。
音楽も映像同様非常に臨場感があり映画を上手く盛り上げていた。
先入観の持ち込みやテーマを探ろうと構えて見るのではなく、単にスカッとしたいのなら見る価値は十二分にある作品である。
映画館に行くべきだった。
まんがのちからおすすめ度
★★★☆☆
産業革命の始まったイギリス・ロンドンを舞台に繰り広げられる冒険活劇。
人は科学を知ってしまったときから、科学の魅力に取り付かれてしまう。
本来”人は何のために生まれ、何をしたら良いのだろう”とか、”人の幸せとは”とか。精神世界の成長を望むこころより、科学を優先させてしまう人間に対して警鐘をならす。
しかし、科学の力の表現として、スチームの力を本当に力強く描いている。
本当に映像の力がすばらしいと思う。
Good
おすすめ度 ★★★☆☆
I was really looking forward to this. The age of steam brought to life by such a great artist? Well, it was nifty in spots, but to be honest I was left feeling flat. There's no question that the art is great. The moments when the mechanical hand running around are especially memorable. The story just didn't spark my interest. People go back and forth from good guy to bad guy for the sake of nationalism (hmm, a touch of the real world), but nothing really grabbed me. There were no surprises in that department, and I think that's where they needed to be.
概要
『AKIRA』(1988)で“ジャパニメーション”の表現力を世界にアピールした大友克洋による劇場用長編アニメ(2004年公開)。製作期間9年、制作費24億円という大作だ。
時は19世紀半ば、舞台は世界初の万国博覧会を控えたイギリス。少年レイは、祖父ロイドと父エディが発明した謎の球体・スチームボールを手にしたことから、アメリカのオハラ財団の手の者に捕われる。連れて行かれたのは、巨大な機械の要塞・スチーム城。そこで財団は、超高圧の蒸気を封じ込めたスチームボールの力を武器として売りさばこうとしていた。レイはそれを阻止しようとするが…。
単純明快な冒険活劇を期待して観れば案外小難しい部分もあって肩すかしを食うが、細部まで描き込まれたスチーム城の描写にはとにかく目を見張る。ダイナミックなアクションシーンなどはきっちり魅せつつも、王道というよりはどこかしらオフビート気味なのは、古い大友ファンにとってはむしろ吉報かも。(安川正吾)