大友克弘監督の最新作アニメ「スチームボーイ」のサウンドトラックです。音楽的にどうこうというよりも効果音とからめた映画においての音の演出の一部といった印象があります。(サウンドトラックですから当たり前ですが・・・)音響監督さんが効果音と音楽,声優の台詞とのバランスを考えられたそうで、CDだけで聞くよりも映画を見てから聴くほうがこのサウンドトラックの良さが分かるかもしれません。
期待の新人、文句無しのデビュー!おすすめ度
★★★★★
ハンス・ジマーを筆頭に作曲活動を行っている集団、「リモート・コントロール」の期待の日系作曲家、
スティーヴ・ジャブロンスキーのデビュー作。(先にテキサス・チェーンソーが出てしまいましたが・・・)
ジマーの門下生だけあってサウンドはジマーの影響を受けていると言えます。
しかしこの作品は明らかにジマーよりジャブロンスキー色の方が目立ちます。
また音の深さやダイナミクス等は経験が浅い為か、消化しきれていない部分もありますが、
それはこれからに期待して今はこの新人の音楽を讃えましょう。
僕はジャブロンスキーが登場するまで、「パイレーツ・オブ・カリビアン」や
「タイム・マシン」等を作曲したクラウス・バデルトが好きでしたが、
すい星の如く登場したジャブロンスキーは彼をはるかに超えました。
アニメの音楽にしちゃあかなり贅沢でありますが、映画を見ていなくても十分楽しめる作品となっています。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」を作曲したバデルトみたいにそれほど激しくなく、またジマーのように重くないジャブロンスキーのサウンドはバランスが取れていると思えます。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」でバデルトの音楽にハマってしまったという人は、これを聞く事をオススメします。
パイレーツ~ほど打ち込み系サウンドは使わず、オーケストラ重視のサウンドは吹奏楽が大好き!というような人なら必ずハマってしまうと思います。
いずれこの曲も「パイレーツ~」同様、吹奏楽アレンジ版が出るかもしれませんw
これぞ冒険活劇!おすすめ度
★★★★★
親子3代にわたる技師のロマンと冒険を綴った正統派活劇です。
こういった作品が作れるのですから、日本のアニメーション業界はまだまだ先があります。
ハンス=ジマーファミリーのスティーブ=ジャブロンスキーは師匠譲りのダイナミックな音楽演出で冒険活劇の粋を見せつけてくれます。
かなり修行されたのだと思えるつくりです。「Pirates of the Caribbean」「The Curse of the Black Pearl」あたりでだいぶこなれてきたように思えますね。
音楽単体でも確かに楽しめるのですが、むしろ映像とのバランスがすばらしく感じられ、映画音楽好きにはたまらない1作となっています。
ぜひお勧めの1枚です。
次作も期待したいです。
全然関係ないのですが、小西真奈美さんと佐久間レイさんの声の区別がつかないのは私だけでしょうか……
8/27 追記
映画を見た後に興奮して書いたせいか、大事な事を書き漏らしていましたので追記させていただきます。評価頂きましたお二人の方にはお詫びいたします。
さて、当サントラで特筆すべきなのはジャブロンスキーの見事さに加えて音響監督であり、音楽プロデューサーも務められた百瀬慶一氏&アラン=メイヤーソンの手腕です。
まだまだ国内では映画音楽そのものの関心は低いほうで、ハリウッドのように音響やオーケストレーター、コンダクターの方たちがフォーカスされる事は少なかったりします。
当サントラでは百瀬慶一氏がたっぷりのコメントで映画音楽の世界を少なからずアピールしており、映画音楽ファンをホロリとさせます。
そして最も評価すべきなのは、「スチームボーイ」という映画は音楽面でも世界基準を満たしていたという事ですね。
以上追記でした。
ピザだってスチームボーイ
おすすめ度 ★★★★☆
私は、映画を見てからサントラを購入しました。前からスチームボーイに注目していたので、是非世界観を部屋でも感じたいと思いました。アクションシーンが多いのに、音楽の方は落ち着きのある曲が多く、また、発明の最盛期を思わせる響きのある曲で大変気に入っています。音楽でスチームボーイの世界を物語れるくらい壮大です。感動しました。サントラを購入したことで、またスチームボーイの鑑賞意欲が湧いてしまい、この夏は何度も映画館に足を運ぶつもりです。