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ゴルファーズ検定

+ 出口のない海 +

出口のない海

佐々部清
おすすめ度:★★★★★
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「回天」をよく描いています
おすすめ度 ★★★★★

 海軍の究極の特別攻撃作戦である「回天」は、いわゆる人間魚雷。
中に人が入ってストップもパックもできない狭い機体を操り、
目標の敵艦を自らの肉体をかけて爆破しようとして、出来た武器です。

 この映画、というより「回天」で派手な戦闘シーンは作れません。
海の中で静かに行動するのですから。魚雷に触れ、あわや沈没というところや、
ついに敵船を見つけ発進させるところの艦長(香川照之)の心情・
潜水艦の整備員の動きなどがこの映画ではよくできていました。
 「回天」が発進しても、爆発音を捕捉してもそれが敵船を爆破させたものなのか、
見つかって攻撃されてのもののかは、潜水艦にはわかりません。
すぐに現場を退避しなければ自分たちも危ないからです。
爆発音を聞いた時に整備員たちが目をつぶって合掌するところなど、胸に迫ります。

 海の特攻隊=「回天」搭乗員たちは姿の見える敵との闘争心に沸くというよりも、
技術を正確に操ることに一身を傾けました。
 コントロールの難しい「回天」を操り、正確に敵艦にぶつかる=自分も死ぬということが、
彼らに負わされた宿命であり、運命から逃れられないならばせめて、
その任務を全うしようと粛々と彼らは自分の道を進んでいったのです。
 この映画でも、彼らの葛藤や時代に逆らえない中で自分の運命に
身をゆだねようと努力した心情などが、よく表現できていました。
 えびぞうさんが最後に、訓練中に事故で死んでしまい、戦後に台風による波で運ばれて、
発見されたという筋は本当にあった話です。
 こんな馬鹿げた兵器が二度と作られないよう、そして死んでいった彼らに
心から感謝と哀悼の意を捧げずにはいられません。

 戦争映画はドンパチの派手なものばかりとは限りません。
 
 



静かな感動をくれる映画です
おすすめ度 ★★★★★

静かな映画です。派手な戦闘場面もなく、家族や想人、戦友との別れなどが、静かに淡々と描かれ
てゆきます。全編、派手な悲壮美で貫かれた『男たちの大和』を観た直後に、劇場に足を運んだ作
品で、『大和』のような劇的な感動を期待していたために、正直、初見の際はかなり肩透かしな印
象を持ちました。
確かに、回天と云う兵器の複雑な操作を克明に描くことで、一人の人間をその部品の一部と化して
ゆく冷酷さを強調したいのか、主人公の魔球にかける熱情の日々とそれを無残にも奪い去ってゆく
戦争というものの理不尽さを描きたいのか、その時々で物語の中心点がブレ、映画として幾分、散
漫な印象を受ける欠点は承知の上で、それでもなお、自分がこの映画をリピートする頻度は非常に
高いです。あれほど共鳴した『大和』はDVDで一度しか観てはいません。
物語も出演者たちも、劇伴や映像、装置にいたるまで全てが真摯な映画だと思います。真摯であれ
ばこそ、本当の意味での静かな感動がそこにあります。後からじわりとくる類の感動です。
人間魚雷という不気味な響きの兵器に乗り、人知れず南冥の海に消えていった幾多の人々。是非、
ひとりでも多くの人に観てもらいたい大切な映画です。



かるいタッチで
おすすめ度 ★★★★★

軍隊における暴力シーンや、自爆作戦に身を捧げることへの葛藤などが、あまり詳しく演出されておりません。
ビデオを観て、その点について当初は不満や疑問がありましたが、恐らく脚本をあえて軽いタッチにしたのだと自分なりに結論付けました。重くない分、私は後半のシーンを何度も観ることができ、そのたびにジワジワと青年たちのこころの悲しみを自分なりに感じることができました。
いい映画だと思いました。




概要
市川海老蔵が映画初出演にして主役を務め、歌舞伎界のスターがスクリーンでも映えることを証明した1作。第二次大戦が集結しようとしていた1945年、日本軍が最後の秘密兵器として開発した「回天」に乗り、敵艦に突っ込んでいった若き兵士たちの物語だ。直径1mの回天は1名が乗り込むスペースしかなく、映像からは内部の息苦しさや孤独感が伝わってくる。死を覚悟した兵士たちの悲壮感がその閉塞した空間と重なり、ここでも海老蔵の鋭い眼力が効果を上げることになる。
原作の横山秀夫と監督の佐々部清は『半落ち』のコンビだが、脚本に山田洋次が加わったせいか、キャラクターに親しみを感じさせる展開になった。この手の映画では、時としてしつこく描かれる家族や恋人との別れが、意外にサラリとしており、かえって感動的。そして主人公が甲子園の優勝投手だったという設定がスパイスとなっている。ボールやグローブが物語を彩る小道具として使われるほか、キャッチボールのシーンがじつに爽やかで、その分、戦争の虚しさが伝わってくるのだ。結末の受け入れ方も、観る人それぞれによって変わってくる作品である。(斉藤博昭)

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