The Miseducation of Lauryn Hill
間違えてこれを買わないでください。これは『ラップ』アルバムです。ブラコンというよりも、語りが多いと言う印象です。決して口当たりのよいものが連続するわけではありません。エンターテーメント要素よりも、彼女の歌声の素晴らしさが、このアルバムを際立たせている印象です。アレサフランクリンを出すまでもないが、彼女の声はかなりソウルフルでディープで彼女のトレードマークです。
一般の洋楽ファンというよりは聞き込んでるブラック音楽ファンのかたにおすすめするアルバムです。わたしでさえもなんだかとっつきにくい印象を持ちましたからね。馴染むのに時間がかかるアルバムといえましょう。するめアルバムなのだと思います。むしろレゲエファンにこのアルバムはアピールすると思いますね。
ホームレス中学生
どうせ不幸自慢のような本だろうと思ってました。ごめんなさい。
貧乏話を笑いのネタとしてテレビで話し笑わせてくれているから、そういう笑える本を求めて買ったら大変なことになります。
ハンカチ、もしくはティッシュペーパー(出来れば箱で)を用意しておくことをオススメします。
母親を始めとする家族とのエピソードなどは泣けて泣けて仕方がなかったです。
本人も言われているように文章は正直上手くないです。作文のように拙い文章で綴られる記憶。でも、だからこそリアルを感じました。
全体の流れも、ちょっとネタの延長的なノリのエピソードと号泣エピソードが混ざりあっていて中途半端に感じました。でも、そこが逆にらしくていいのかもしれません。
生きる意味を失ってもただ自殺するのではなく家族に褒められるよう誰かの代わりになって死んでしいたいと思うほど深い家族愛、それでも家族を本当に喜ばせるのために楽しく笑って生きようとする思い、母のように周囲の人々に楽しくさせ力を与えるようになりたいという決意が、今の活躍と相俟って……
笑いよりも、家族や周囲の人々との温かな交流が胸に迫る本です。
書店の売り上げランキング一位に君臨も、品切れ入荷待ちも、全国の学校図書館からの注文殺到も、納得。
文章も構成も下手くそで、決していい本じゃありません。
でも、この本から得られる物はお値段以上です。
それだけで、もう十分すぎるぐらいです。
他人の過去を読んで、いいとか悪いとか評価をつけるのなんて悪趣味かもしれません。
それでも、この本を読んでよかったです。