シリーズ読者なら必読おすすめ度
★★★★★
ご存知、この夏公開の日本アニメではスタジオジブリの宮崎アニメの「崖の上のポニョ」と真っ向からがっぷり四つに組むことになる話題作「スカイ・クロラ」。その「スカイ・クロラ」のシリーズの補完作品として作られたのがこの「スカイ・イクリプス」です。
どこかの誌上インタビューによれば、「スカイ・クロラ」シリーズの謎、例えば草薙(クサナギ)水素はいったい何者なのか? キルドレって結局何? カンナミ・ユーヒチって結局は誰? どこでどう人物が、、等といった「ナ・バ・テア」などや「ダウン・ツ・ヘヴン」などの謎を明らかにするある事が書かれているのがこの本。スカイ・イクリプス
なので、たぶん森ファンは既にこの本を読み始めているかと思いますが、とにかくやはり空中での浮遊感、疾走感、が気持ちいいの一言に尽きますよね、この本は。現実離れして、空にすべてがある人減達の戦いは、戦争なんだけれどどこか美しい。森博嗣さんの狙いにまんまとハマってしまっているんだけれど、それが心地よい一冊です。
表紙の装丁も、この雲海のカバーがものすごくいいです。綺麗です。
中身の謎についてはネタバレになるので書けませんが、夏に読むにはもってこいの本です。庭にデッキチェアかなにか出して来て、冷たい飲み物でも飲みながら読みたかったなぁと後悔するくらいに夏向きな、そして空を見上げる一冊です。
シリーズ全て読んだ人に送る短編集
おすすめ度 ★★★★★
8編の短い物語が収録されています。時系列はバラバラ。誰の視点かもバラバラ。既に出ている5冊全てを読んで初めて楽しめるのでは? そんな感じです。他の方も書いていますが、何気ない会話とかで出てきたエピソードとかを描いたものや、「あの場面」より後のシーンというものがあります。映画化などで興味を持った人とかでこれからこのシリーズを読む方、この本は後回しにしましょう。
収録されている話は以下のとおり。収録順。カタカナ表記のみ。
『ジャイロスコープ』
『ナイン・ライブス』
『ワニング・ムーン』
『スピッツ・ファイア』
『ハート・ドレイン』
『アース・ボーン』
『ドール・グローリィ』
『スカイ・アッシュ』
最後3編は書き下ろしです。そしてその3編で何度も泣きそうになりました。悲しくて、切ない。そんな気持ち。そして漸くこの本のタイトルが指しているものに気付きました。
文庫やノベルスで買っていてサイズや値段の都合で買うのを控えている人、できれば少しでもはやくこの寓話に触れてください。そう、思いました。