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+ スカイ・イクリプス +

スカイ・イクリプス

森博嗣
おすすめ度:★★★★★
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番外短編集
おすすめ度 ★★★★★

21世紀に蘇った『かもめのジョナサン』とも云えるのではないか。
SF的なキャラクター設定・世界観を採りながらも、
本シリーズの中身は、実は純文学だ。本作はその番外短編集である。

他人を痛いまでに希求する寂しさを
大空の透明な孤高で昇華する主人公たちに
私たちが果たせぬ孤独の処理を託してしまう、
そんな物語のカケラたちが散りばめられている。

本作を読んでも、シリーズを通した謎が明らかになるわけではない。
夢から覚めた後、その夢の内容が思い出せずに
でも頭の片隅で冷たい光のようななにかを微かに覚えている感覚があって
それをぼんやりと想っているような読後感が秀逸。



世界観を感じさせる作品
おすすめ度 ★★★★☆

森 博嗣の描いたスカイ・クロラシリーズのサイドストーリー短編集。これまでの本編とは違いスポットを浴びていなかった登場人物の心情や、戦闘シーンを省き描かれた人との交流など、世界観を感じさせる作品となっている。これまでの作品に比べ読みやすく、感情移入がしやすかった。まもなく公開される映画のHPではすでに中田英寿、絢香、岩井俊二、庵野秀明、浅野忠信らもコメントを寄せる等、注目が高まっている。どのくらい押井がスカイ・クロラを描ききっているかに期待したい。



不条理な美しさ
おすすめ度 ★★★★★

 読み続けるごとに引き込まれる。今までのシリーズをすべて振り返りながら読んだ。余りにも美しく、綺麗で、とても悲しい。
 孤独の中に真実がある。真実の中には混沌とした己にだけは決して分からない様に隠されている現実がある。
 また、すべてのシリーズを再読しようと思う。
 これからこのシリーズを読むという方は「スカイ・クロラ」から読む事をお勧めします。これは覚悟を決めて読む本だと思います。



シリーズ読者なら必読
おすすめ度 ★★★★★

 ご存知、この夏公開の日本アニメではスタジオジブリの宮崎アニメの「崖の上のポニョ」と真っ向からがっぷり四つに組むことになる話題作「スカイ・クロラ」。その「スカイ・クロラ」のシリーズの補完作品として作られたのがこの「スカイ・イクリプス」です。
 どこかの誌上インタビューによれば、「スカイ・クロラ」シリーズの謎、例えば草薙(クサナギ)水素はいったい何者なのか? キルドレって結局何? カンナミ・ユーヒチって結局は誰? どこでどう人物が、、等といった「ナ・バ・テア」などや「ダウン・ツ・ヘヴン」などの謎を明らかにするある事が書かれているのがこの本。スカイ・イクリプス
 なので、たぶん森ファンは既にこの本を読み始めているかと思いますが、とにかくやはり空中での浮遊感、疾走感、が気持ちいいの一言に尽きますよね、この本は。現実離れして、空にすべてがある人減達の戦いは、戦争なんだけれどどこか美しい。森博嗣さんの狙いにまんまとハマってしまっているんだけれど、それが心地よい一冊です。
 表紙の装丁も、この雲海のカバーがものすごくいいです。綺麗です。
 中身の謎についてはネタバレになるので書けませんが、夏に読むにはもってこいの本です。庭にデッキチェアかなにか出して来て、冷たい飲み物でも飲みながら読みたかったなぁと後悔するくらいに夏向きな、そして空を見上げる一冊です。



シリーズ全て読んだ人に送る短編集
おすすめ度 ★★★★★

 8編の短い物語が収録されています。時系列はバラバラ。誰の視点かもバラバラ。既に出ている5冊全てを読んで初めて楽しめるのでは? そんな感じです。他の方も書いていますが、何気ない会話とかで出てきたエピソードとかを描いたものや、「あの場面」より後のシーンというものがあります。映画化などで興味を持った人とかでこれからこのシリーズを読む方、この本は後回しにしましょう。

 収録されている話は以下のとおり。収録順。カタカナ表記のみ。
『ジャイロスコープ』
『ナイン・ライブス』
『ワニング・ムーン』
『スピッツ・ファイア』
『ハート・ドレイン』
『アース・ボーン』
『ドール・グローリィ』
『スカイ・アッシュ』

 最後3編は書き下ろしです。そしてその3編で何度も泣きそうになりました。悲しくて、切ない。そんな気持ち。そして漸くこの本のタイトルが指しているものに気付きました。
 文庫やノベルスで買っていてサイズや値段の都合で買うのを控えている人、できれば少しでもはやくこの寓話に触れてください。そう、思いました。


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