人にすすめる物ではないと思う。おすすめ度
★★★☆☆
「無限の住人」や「おひっこし」がある程度の節度の守られた作品に対して、
本作は、作者が特に読者受けも狙わずに自分をさらけ出して描いた作品なのだと思う。
「俺、描こうと思えばこんなのも描けちゃうんだぜ?」的なものであって、
「人でなしの恋」等を見て、作者のサディスティックな面を知っている人は
ただ、少女達の不幸を描きたくて描いただけなんだろうなぁと感じた人も多いのではないか。
幸せになるはずだった少女達が一転して不幸のどん底に叩き落とされる話です。
ひたすらそれが続くのみで読後には後味の悪さ以外に何も残りません。人にすすめる物でもないと思う。
二作目、三作目が出たら読みたいと思うのか?実写化されたら目を背けられずに観れるのか?
眼球がくり抜かれて床に転がっている描写、乳首が噛みちぎられて無くなっている描写、
殴られて歯抜け状態になっている描写、成人漫画でもここまで描写している人は一握りです。
人間の残虐面を追及した漫画ではあるが、このようなシーンというのは、
ある程度の節度の保たれている作品に組み込まれてこそ味が出ると思う。
だから「無限の住人」の陵辱シーンみたいなのは評価するし、
短編的な物を描くのであれば「おひっこし」みたいなのを読みたいと思う。
だからもうお腹一杯。この時世にこのような作品を描いたことは評価するが二作目は要りません。
『なんてことを…』おすすめ度
★★★★★
初めて沙村氏の作品を購入しました。画力がある方なので期待してました。
期待どおり。
しかし、読み終わったあとは泣きたくなるほど凹みます。
気分を持ち直すのに2時間はかかります。
最後はROCKに感じました。
…もしかしたらこんな時代もあったのか?と思った私です。
1回読み終わった。
しかし2回は無理。
でも売りたくない。
そんな葛藤の日々です。
エログロ…?
そんな一言では済まないです。
現実は物語よりも残酷おすすめ度
★★★★☆
読み応えがありました。
最初は少女主観、その後、それをとりまく様々な立場の人物主観でこの「政治取引」が語られていくのですが、売買された少女たちに救いはなく、ただひとりこれまで同様に売られた筈の少女がこれまでの少女たちとは異なる運命に自ら身を投じていくのであろうラストシーンに少しだけ胸のすく思いがしましたが。
どちらかというと、老若男女問わず読んでおいて損はない物語ではないかと思います。想像力があればこれがどれほど悲惨で残酷な話であるかは理解できるでしょう。
けれど考えてみて欲しい。自分が少女の立場であったら。あるいは看守であったら、パスカを待ち望む囚人であったら、孤児院の経営者であったら・・・そして為政者であったらと。
精神的エログロおすすめ度
★★★★☆
私は無限の住人は最初少し読んだ程度で、この作者の本はあまり読んだことがありません。
書店の平積みについ手にとってしまった口ですが、読後はとても微妙な気分でした。
エログロというと間違いがないが、実際の絵の表現としてのグロさはわずか。
それよりも精神的な部分に寒気を感じたり辛さを感じさせる話でした。
陰鬱なんですが、妙に心打たれる部分もある。
久しぶりに漫画に嫌な気分にさせられたなあ、という気持ち。
あまりにもつまらなくて嫌な気分になったのではなく、内容に入り込んで嫌な気分になる。
久々の感覚でした。最近そこまで引き込まれる作品も少なかったので。
若い人、特に女性にはあまり読んでほしくないかな。
自分が10代の頃に読んでいたらおそらくトラウマになったと思います。
男性も本を良く読む感受性の強いタイプの人にはつらいかも。
心構えがあれば多少はマシかもしれませんが、なんとなく読んだら衝撃だと思います。
心に残る話なのは事実だけど陰鬱な気分になったので星4つ
一流のエンターテイメント作品
おすすめ度 ★★★★★
沙村広明の繊細なイラストが奏でる残酷で美しい、極上のエンターテイメント文学大作。
賛美歌・クラシック(なるべく明るめの物がよい)※をBGMに読めば、映画を見ているように感じられそう。
主役の女の子達が可哀想で鬱になる、でも人に勧めたくなる漫画。
※個人的には、Kanonの「Plimary Flowers」(ちりとてちん挿入歌「Wings to Fly〜翼をください」収録アルバム)がおすすめ。