この巻だけで何人斬りなんでしょうおすすめ度
★★★★☆
女性を嬲ってレイプして目を覆う残酷な死体にして放置、というシーン。
今までは尸良の強さと残虐な面をこれでもかと見せるための場面と読んで
いたのですが、作者の趣味と知って正直嫌悪感で見てられなかった。
迫力ある画面で派手に斬りまくるシーンも格好いいし、魅せる力が
相変わらずあると思うのですが、逸刀流が理由も不明なまま散々大暴れ
した後に、納得してしまいそうな一理ある口上あたりの部分でも、逸刀流って
そもそもそんな集団だっけ?と思ってしまう点もあったり、
いつも好きで楽しみにしてる漫画ですが、破綻した作者の無茶な趣味
漫画化しないといいな…と願うばかりになってきました。
この巻はとりあえず個人的には楽しめなかった。
次巻も買いますけど、もともと好きな人だけ読んでという漫画だと
思うので、スッキリ終わるのかなぁという気がしてきました。
修羅のごとく、業火のごとく
おすすめ度 ★★★★★
吐鉤群による凄惨な討伐劇を生き延びた「逸刀流」の大将、天津。そして精鋭中の精鋭である凶、馬絽、怖畔。この四人が遂に、忠臣である自分たちを謀反者と貶めた幕府に牙を剥きます。わずか四人による江戸城襲撃! 大胆不敵の極みと言えるこの戦いの中で、「逸刀流」がどれほど強く恐ろしい存在であるかが明らかになります。23巻まできたこの物語ですが、彼らの実力がこれほどまで鮮烈に示されるのは、初めてではないでしょうか。吐鉤群が巨大すぎる獣として警戒したのもむべなるかな。そう思わせる強さです。その中で多くの命が散り、「逸刀流」の中からも散華する者が出ます。最後のページで描かれるのは、死闘の後に残る虚しさと、それでもなお前に進まねばならぬ剣鬼たちの悲哀です。
それにしても、江戸城襲撃を描く沙村氏の何という画力! 最近のTVの時代劇など比べ物になりません。ていうか比べること自体、失礼です。「世界の黒澤」でなければ実写化は不可能だろうなあ……。アニメはうまくいくのでしょうか。それだけがちょっと不安です。
冒頭で姿を現す、尸良の闘いぶりもまた不気味。両腕を失った状態で、どうやって何人もの公儀隠密たちを斃したのか? 遂に卍たちの居場所を知った彼は次巻以降、どれほどの暴虐ぶりを見せるのか?
終末が近づくにつれてますます盛り上がる「無限の住人」。これからも見逃せません!