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大江戸えねるぎー事情 (講談社文庫)

石川 英輔
おすすめ度:★★★★★
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1年前の太陽エネルギーで生活する
おすすめ度 ★★★☆☆

江戸時代について精力的な執筆活動を行っている著者の一連のシリーズのひとつである。
本書では「エネルギー」に焦点を当て、23の項目から江戸時代の生活の実相に迫ろうとしている。
「江戸時代の人々は1年前の太陽エネルギーで生活していた」という話が一番面白かった。なるほど、一年生の植物や木々の下生えや枝を利用している分にはエネルギー差し引きはゼロもしくは持ち越しになっている。今では工業に類する製紙・製塩なども農業であったと言う事も「なるほど」と思わされ、江戸に特有の時代相を実感できた。

ただ現代との比較に取り組む一環として江戸時代のエネルギー消費のカロリー表示に挑戦しているがあまり意味が無く、ライフスタイルの違いという著者の訴えたい本質には却って有害な気がした。カロリー表示に換算しない・できないものが多すぎるので厳密性に欠け、本筋の説得力にも悪影響を与えている。



今の生活を考えさせられる本
おすすめ度 ★★★★★

この本はとにかく読んでいただきたいの一言である。

昔の日本人は、与えられた大自然に感謝し、その営みを壊すことなく、その中で合理的に生きていたのだということを実感することができる。一見すると、今の生活から比べてたいへんそうだなぁと思ってしまいそうだが、よくよく考えてみると、現代よりも人間らしい豊かな生活をしていたのではないかと思う。

自然は無尽蔵にあるかのように、これまでの蓄えを食いつぶし、ただひたすら”今”だけの満足を追い求めて、日本だけでなく世界中のあらゆる資源を浪費する。こんな社会が長く続くことは考えられない。本書に述べられているように「無から有は生じない」のである。

日本人はありとあらゆるものに神が存在するという信仰を持ち、自然に感謝しながら生きてきた。その思いは今の時代にあって全く古さを感じさせない、素晴らしいものだ。すべての恵みに感謝し、われわれを生かしてくれる地球にもっと目を向け、新しいライフスタイルを考えるきっかけを本書は与えてくれる。温故知新、先人は常に新しい道を示すヒントを与えてくれている。


著者の姿勢が凝縮されている本
おすすめ度 ★★★★★

 江戸時代と現代の、日常生活でのエネルギー消費量を比較したもの。比較するために、江戸時代の暮らしを紹介しているところが興味深い。
 そして、「事情シリーズ」や小説「大江戸シリーズ」で繰り返し書かれることがこの本の中にすべて詰まっている。

 「何しろ、江戸の町奉行所の人員は、行政や裁判から警察業務の担当者まで含めて、たったの二九〇人しかいなかったのだ。これで、武士以外の五〇万市民を相手にしたのだから、勤労者人口の七人に一人が公務員や準公務員だという現代民主政府のような小うるさい干渉などできるはずもない。また、教員免許も初等教育についての制度や法律もなく、庶民のための初等教育予算はゼロ。手習師匠は、実質的には自由放任で自由競争だった。」(160ページ) エネルギーの消費量がどうこうではない。
 世の中のあり方を問題にしているのである。


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