本書を手に入れるまでが大変でしたおすすめ度
★★★★☆
本書が出版されたことも知らなかったし、本屋をあたってみましたがなくて苦労しました。
紫堂さんのファンのおいらとしては、意地でも読みたくて、ネットこ購入。
内容はクーデターで没落した王子さまと庶民の絡みのトンチンカンなところがツボの単純な話かとおもいきや、これが面白いんですよ。
ギャップの切り込み方がリアルで生活感あふれているんです。
食品の調達くらいはどんな漫画でも小説でもかかれてますが、塩がないということがどういうことなのかや「パンツ」の枚数、自力で着替えられなかったり、巻き毛にするためにカーラーでまくことまで描いた漫画が他にあったでしょうか?!もう大爆笑です。
紫堂さんの作品の特徴である「闇」「綺麗じゃない現実」の要素も後半しっかり入ってきて、読み応えあります。
今後が楽しみおすすめ度
★★★★★
マイペース王子様(でも心根はとても良い)のクーデターによるドタバタ逃亡成長記。(?)
「生きている」人間の暮らしに触れて、彼とその周りがどう進んでいくか…楽しみなのです。
お気楽さんとお元気さんと生真面目さんの取り合わせの妙は、この作者様の十八番!
時々ほろりとさせるストーリーも最高です。続刊に期待!
絵柄で好みが分かれる所ですが…最近心がお疲れな方にこそオススメしたい。
…最終話は泣けた!
天然モノ
おすすめ度 ★★★★★
久しぶりに買った紫堂作品が面白かったので、注文したものの、あまり期待してなかった。
一夜ですべてを失ったわがまま王子が極貧の生活を送ったり周りとぶつかったり、みたいなパターンなんだろうなぁと思っていたのです。
が、なに、これ面白いじゃん。
自称天然(天然の意味をまちがえてるが、実際そんなところも天然)の王子サマ。
着替えも自分ではできないし、髪の毛は巻き毛にしないといけないし、でも、わがままとはちょっと違う。
ちゃんと王様になれる子。
貴族以外の使用人もごはんを食べるものだと知れば、謝罪して自分の分を半分渡す、
お金がなければ、人任せにせず、それを作る手立てを考える。
無知だけれど、物事を知れば、そのことに対応しようとするという前向きかつ、イノセントさは好感が持てる。
やり方は、はてしなくめちゃくちゃだが。
クーデターに遭った王子様は大なり小なり人間不信に陥るシーンとか、自分の不幸に酔ったりするんだけど、そんなところがまったくない。
なにせ、明るく前向き。
そういうのはおつきの人間にも伝わるのか、悲惨といったら悲惨なんだが、不幸ではない。
皆、明日の塩やら、パンツの工面に前向きです。
この話がどう転がるかわからないけれど、悲しい切ない終わり方だけはなさそうで、楽しみです。
ひさびさにすかっとする紫堂作品でした。