ホラー探検、その一 おすすめ度 ★★★★☆
本の背に、ホラーとあったので手に取った。これまでは、本は作家への興味で選んでいた。乙一の『夏と花火と私の死体』、重松清の『流星ワゴン』、桐野夏生の『OUT』など、ホラーという意識なしで読んでいた。改めて、ホラーを極めてみたい、ホラー体験味わいたい。・・・そんな期待で、この『舌づけ』のページをめくった。
お化け屋敷に入ってみたい、・・・そんな感覚と、ホラー体験、共通していると思う。現実の枠を踏み超えてみたい。超常現象の世界に誘い込んでくれる話(おばけ話)の魅力はつきないだろう。しかし、この短編集の話は、この世の日常生活の中の恐怖がテーマになっている。
人間ってコワイ!信じてもらえない怖さ、ひとの悪意の怖さ、抵抗できない怖さ、裏切りにあう怖さ・・・、この短編集の話の怖さは、お化け屋敷を出て、「あ〜、よかった。」と、ホッとできる怖さではない。
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