ひとは化けもん われも化けもん
第一印象は読み難いこと。助詞のてにをはを省いた地の文はリズム感が無く、最後まで慣れることはなかった。同じようなものに文楽(人形浄瑠璃)の床本があるが、こちらは太夫が三味線の調べに乗せて語る文章だから、リズムがあり、読み易い。本書も試しに音読してみたが、やはりリズム感が無い。
これに対して会話文の上方言葉は、上方歌舞伎のせりふを聞くようで楽しめた。当時の、当地の雰囲気が出ていて良い。
内容は、井原西鶴が俳諧の世界における自身の立ち位置に惑い、苦しみながら、草子に手を染めるというもの。「好色一代男」以外は偽作となって行く背景の描き方は説得力がある。しかし内容以前に、読むのに一苦労で星3つ。
春の海・六段 筝の名曲
正統派な箏の名曲集で、個人的にも大変聴きやすかったです。筝曲としてなじみのある曲が多く、子供の筝曲入門で聞いてもいいかもしれません。ただ私の好みでいうと、「砧」がはいっていればさらに良かったと思います。
日本合唱曲全集「土の歌」佐藤眞作品集
土と蔵王と旅・・・収録されたみっつのカンタータ/組曲の題名。このコンビネーションの絶妙。現代の日本人が、今、触れて心豊かになれるものの象徴。土に触れて生命を思い、蔵王の自然に触れてその大きさを知り、旅に出でて人生を思い、日頃忘れやすい大切なものに気付く。この3曲は、その契機を与えてくれる混声合唱です。