火宅の人 (上巻) (新潮文庫)
豪快すぎる男だ。旅情、風来、健康すぎる、体力がありすぎるそんな男の人生である。
給料が少ないとか、ちょっと風邪を引いたとか、あの人は、子供がたくさんいていいなとか、そんな些細なことは、人間の生滅に比べると、大したことない。人間の生滅も、人々の歴史に比べたら、短いものだ。ああそれが人生か。人の一生は、大宇宙の時間に比べると、一瞬である。それならば、いっそ、自由に、勝手気ままに、放埒に生きてみよう、そんな気にさせてくれる小説だ。
こういう生き方もカッコいいな。
ウルトラマンSTORY 0(3) (マガジンZコミックス)
発想というか、ネタは最高なんだけど、ストーリーに今一深みがない感じがします。
とはいえ、ここに来てやっと話が前に進み始めた感じです。
全体の話が動き出したので、これからが楽しみです。
とはいえ、バルタン星人ってそう言う存在だったんですね。
タロウが表紙にいますが、本編には1ページか出てきません。
それも納得のいかない所。
この場合、初代マンが表紙と思うけど・・・。
ウルトラマンSTORY 0(8) (マガジンZコミックス)
最初のころは、各ウルトラ戦士の誕生秘話を描くエピソードが中心になっていました。しかしこの辺りから公式の設定とキャラクターを自由に使って、真船先生が想像の翼を広げているのが分かります。公式設定の補完やサイドストーリーを求めている読者には不満かもしれませんが、シリーズに対するオマージュが随所にちりばめられているので、ウルトラマンファンは十分に楽しめると思います。
火宅の人 下 新潮文庫 た 5-4
20年間にわたって書き続けた壮大なる自分史です。私は檀一雄氏については檀ふみさんの父親という印象しかなかったのですが、本書を読んで当時、いかに檀一雄氏が人気作家であったかが良く分かります。そして本人が人気作家である事を利用して思うが儘、我儘に生きてきた事の証と反省と誇りが集大成されたのが本書です。これは人気作家であったからこそ出来る生き方なのでしょうが、サラリーマンの私にとっては非常に羨ましい生き方に感じます。人間が飲食や性、そして生きる事に対して素直に生きたらきっと著者のような生活になるのだと思います。太宰治と比較してこのような生き方の出来た著者は非常に幸せな人に感じます。