MAKI LIVE(紙ジャケット仕様)
浅川マキはアルバムでしか聴いていなかった。なぜかベストアルバムという印象がないアーティストだった。待望の復刻CDの中でも、特に待っていたこのライブ盤、毎晩これを聞いて寝るのが日課になりそうだ。しかし、このライブほど、浅川マキのエッセンスが詰まっている作品もないだろう。当時、その日に聞いた人がうらやましい。自分にとっては、無為無策で焦熱と悔恨の70年代だったが、今これを聞くと、くっきりと70年代のある日が甦る。何の虚飾もなく、ただの学生だった、何をして良いか分からない毎日、その頃を思い出させるこの作品群、これ以外に意味のある音楽が、2011年の日本にあるだろうか。歌手、浅川マキは、まさにその一人にふさわしい。
このライブの中の曲は、すべて「70年代の子守唄」である。
灯ともし頃(紙ジャケット仕様)
全体にどこか親しさと温かみを感じさせるアルバムだ。いい曲ばかりだが、特に「それはスポットライトではない」と「センチメンタル・ジャーニー」が核になっている。
「センチメンタル・ジャーニー」は、本人が書いた日本語詞がいい。初めて聴いたとき、あらためてこのスタンダード曲の味わいに気付き、さらに好きになった。
オーティス・クレイの「あなたなしで」や、「Just Another Honkey」、ラストの「何処へ行くの」の明るい調子の歌が、アルバム全体の明るく親しみやすい雰囲気を決めている。特に快調に走る2曲目の「あなたなしで」がいい。
スローな曲ではよくトロンボーンが使われているが、ここでも「夜」で向井滋春がいい感じで絡んでくる。「思いがけない夜に」のユーモラスな歌詞も、ミュージシャン仲間との交流を感じさせていい。
「客のないライブ盤」という感じで、あまりタイトな作りではない。もちろん腕利きばかりだから、いい感じのノリを出している。重ね録りでは出ない一発録りの自然なよさだ。
聴き終わると、また聴きたくなる。粒よりの8曲。
真剣で私に恋しなさい!!⑥(原作wagi氏描き下ろし特大クロスポスター付き【初回限定仕様】) [Blu-ray]
Sで人間らしさという名の可愛らしさを見せつけた橘さんが脱いだ!(パッケージ的な意味でも)
うん。もう買うよ。買うっきゃないよ。
浅川マキの世界(紙ジャケット仕様)
初めて浅川マキの存在を知ったのはハタチの時、御茶ノ水にあった貸しレコード屋さんのJANISでした。そこにあったこのアルバムはジャケットからしても普通の空気を持ってない感があり興味を持ちました。
当時からすでに廃盤になっているものばかりで、このアルバムはJANIS で借りました。
内容は1970年代の音楽だけではなく空気までパッケージされた不思議なもので、聴いていたら今が1970年代なんではないかという錯覚に陥ったくらいでした。
その貸しレコード屋さんのJANISも新しい店舗に移転してしまい、浅川マキも亡くなった。今でも元JANIS のあった建物の前を通ると浅川マキの世界を思い出します。自分にとって浅川マキといえば、新宿でも池袋でもなくお茶の水からはじまったと思っています。
まずはこのアルバムから聴くことがいいとおもいます。
ちあきなおみ VIRTUAL CONCERT 2003 朝日のあたる家
小さいときからよく知っていた歌手だけど、
40近くなって聞いてみると、なんと巧い、奥のある歌を歌う人だと驚いた。
どうしてもう人前では歌ってくださらないのか、残念でならない。
コンサートらしく、色々な系統の歌が織り交ぜてあって、
それぞれに舌を巻くほど巧く、飽きることもなく時間は過ぎる。
その中でも私の一番好きなのは「アコーディオン弾き」。
有名なシャンソンではあるが、この録音はこのCDが発出らしい。
歌の巧さに芸の巧さが加わり、さながら一つの小さなお芝居のようだ。
何度聞いても胸が打たれ、目頭が熱くなってしまう。
「伝わりますか」もすごく好きだ。こんなに音域が広い曲なのに、
苦しいそぶりを何一つ見せず、なんとも軽々と、しかも味わい深く歌い上げる。
同じASKAの曲でも「イマージュ」より、こちらの方が数段できがよいと思う。
「祭りの花を買いに行く」や「紅い花」の穏やかな曲調もよく合っているし、
ライブ録音「酒と泪と男と女」や「朝日のあたる家(朝日楼)」も、
ライブ録音特有の荒削りの感じがまた深みを添えている。
懐かしい「喝采」も、あたらしいアレンジでしっとりと歌い上げている。
拍手の音が作為的で、なんども聞いていると邪魔になってくるのが唯一の難点だが、
本当によくできたアルバムだと思う。