最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)
徳川慶喜が腰抜けでなく、熟慮の結果大政奉還をしたのだと知っていて読んでも圧倒される内容でした。華々しい歴史的ヒーローではないですが、その彼にどういう想いや理想、束縛、苦悩があったのかがとてもよく分かる。幕府を延命することに意義がないことを十二分に知っていながら「時勢に乗ってやってくるやつ」と闘い、次第に腹心が暗殺されてゆき、しかも味方のはずの幕府勢力は全く無理解で、いったい「幕府」とは何なのかと思わされます。大局を理解する聡明さがありながら、こんな身の振り方を自ら選ぶというのは、陰ながらも真のヒーローなのかもしれない。徳川慶喜でなければ大政奉還の芸当はできなかったのかもしれない。
勝海舟 (第4巻) (新潮文庫)
長州征伐の後、薩長連合が成立し大政奉還、そして王政復古の大号令と
回天の業は目まぐるしく続きます。この混乱の世相であっても逞しく生きる
市井の人びととの関わりは身分や敵味方を問わず・・・麟太郎らしいところです。
例えば、薩摩の第五列・益満休之助、新徴組の山口某など。
特に益満はその後の江戸無血開城の遥かな伏線のような存在です。
薩摩《西郷》はしたたかですね。
その後、門人龍馬が薩長連合の周旋を行い、海援隊に期待するのもつかの間、
訃報に接して間もなく鳥羽伏見の惨敗。慶喜将軍は将兵を大阪に残し
味方を欺くように江戸へ帰還、恭順の意を表明します。
ここは予てから自分としては慶喜を随分評価している点です。
何しろ欧米列強は幕府VS薩長を自国の代理戦争とし、勝敗如何により
領土の割譲を目論んでいるのですから。‘前門の虎、後門の狼’です。
そのパラダイムを英主・慶喜は見抜いてましたね。藩・幕府ではなく
‘日本国’という視点こそ重要でした。
小栗忠順も優れた人物ですが器というとやはり麟太郎がひと回り大きい感じですね。
幕府はその終局を全うするため、門閥の弊を一掃し俊材を抜擢しました。
榎本武揚などもその一人です。それらを束ね大政奉還の後、今や一大名となった
徳川宗家の難しい舵を己の赤誠を懐に麟太郎は切ってゆきます。
勝海舟と西郷隆盛 (岩波新書)
私は歴史にはシロウトですのではっきり言えませんが、著者は他にも幕末や海舟を扱った書籍がたくさんあり、海舟についての研究は第1人者ではないでしょうか。なので、著者の他の書籍には、私には詳しすぎて、読み飛ばす部分もかなりあります。しかし、この本はそういった他の内容にくらべれば、読みやすくいように感じました。歴史小説ではないので、小説の面白さはないと思いますが、海舟に関する史実のなかで、西郷と関係する部分を抜粋して記述してあります。海舟や西郷について、史実を知りたい方にはおすすめだと思います。この著者の仕事にはシロウトながら、ほんとに敬服します。
龍馬&新選組 京都幕末案内 (JTBのMOOK)
新撰組&幕末が好きなので書店で表紙に惹かれ、手に取りました。
内容は坂本龍馬と新撰組を辿る京都の観光案内です。冒頭に若干、高知県と長崎県の龍馬ゆかりの地の案内も載っています。
この本の魅力はただの観光案内本では無い事です。
龍馬と新撰組を題材としたショートマンガは内容も分かりやすいですし、ページの所々にはマメ知識も掲載されています。
巻末の龍馬&新撰組京都年表はいつ何が起こったのかが細かく載っているので勉強になりました。
読んでいると京都へ行きたくなる事、間違いなしです!いつかお金を貯めて行きたいなぁ〜^^
名言セラピー幕末スペシャル The Revolution!
色々なメッセージがちりばめられて、人生がより楽しくなってくる本です。ぜひ一読を。人生に心の師匠と志を持つこと。これがひすいさんのこの本で言いたかったことなんじゃないでしょうか。より楽しくなってきましたよ。