Come On Die Young
この時期に無性に聴きたくなる作品の一つです。
全編、神々しいほどの静寂と緊張に支配された世界。
それが冬の夜の刺すような寒さや澄んだ空気に合います。
静かに奏でられるギターやピアノ。硬質なドラム。
無駄に音をかぶせず、そっと爪弾くような感じ。
ざらついたローファイな手触りも心地よく、
後ろに横たわるノイズの音さえも一つの楽器のように思えます。
それらがゆったりとしたリズムで溶け合い、
聴き手はその中で存分にまどろむことができます。
徐々に堰を切ったかのように現れる轟音ノイズ。
"Ex-Cowboy"などの通過点を経て、とうとう訪れる終局
"Christmas Steps"は圧巻の一言。
静から動へ転化する際のベースの切り込みから鳥肌もので、
それ以降の展開は限りない快感と同時に畏怖の念さえ抱かせるほど。
"Fear Satan"と並んでモグワイの最高傑作の一つ。
一曲だけ抜き出して聴いても充分神なんですが、
やはりこのアルバム全体の流れがあってこそ、より生えます。
曲単位と並行してアルバム一枚を通して「静と動」が描かれていると感じます。
モグワイでアルバムを一枚挙げるなら、これかEP+6でしょうか。
Young Teamはライブの方が段違いに良い曲が多いかも。
ハードコア・ウィル・ネヴァー・ダイ・バット・ユー・ウィル(初回生産限定盤)
アルバムEPが動とするなら、このアルバムは静。ボーナストラックはかっこよすぎ!!!
タイトルのアル中は死ずともおまえは死すは、まあイギリス流のジョークでしょう。
ボーナスCDはゾクッとする緊迫感。心臓の鼓動が止まりそう。しかしこの落ち着きはハンパない!!!
Hardcore Will Never Die But You Will
間にライブ盤を挟みつつ、約2年半のスパンでリリースされた通産7枚目のスタジオアルバム。初聴時には「これまでで一番MOGWAIっぽくない!」作品だと感じたが、繰り返すうちにあぁやっぱりMOGWAIだと思えてしまう、その世界観はものの見事に健在。
特に"HAPPY SONGS"あたりで印象的だった感傷的な単音の鍵盤フレーズとはまた異なり、今作ではベッタリと平面的に敷かれるKeyフレーズが各所に目立つ。ときに宗教音楽のようにも、無機質なビープ音にも響くそれを下敷きに、それぞれに表層を変えたコンパクトな楽曲が並ぶ。
歪んだベース主導のドライヴ感のある楽曲や、ヴォコーダーを通したボーカル入りの曲、あるいは柔らかな昂揚と共に白光色の彼方へ昇っていく楽曲など、それぞれにフックが効かされた楽曲群。そのためか、前作以上に各トラック個別の独立した感が強く、アルバムトータルでの押し出しは弱く感じる。この辺で評価が分かれる気もするが、個人的にはアンセミックな楽曲不在の物足りなさを感じこそすれ、耳障りの良いバリエーションに富んだ轟音ナンバーの詰め合わせ、といった内容は素直に気持ちよく、悪くないと思った。
Ep + 6
モグワイは
ノイズを音楽たらしめた意味で
ソニック・ユース、マイ・ブラに並ぶ
功績があると、個人的に思います。
彼らのフルアルバムは全て愛聴盤なのですが、
デビューから3年間にリリースされた
EP3タイトルをコンパイルした今作は、
彼らの感性の迸りを収めたという点で
彼らを知る絶好のアルバムと思います。
ノイズの洪水、メランコリア、
静から動へのめくるめくカタルシス、
自在に鳴動するギター・サイケデリア。
粒よりの楽曲から発せられる
さまざまなメッセージが
ギターノイズの潮流となって
耳から脳、そして心を刺激します。
ALL TOMORROW'S PARTIES [DVD] (BRCDVD5)
ドキュメンタリーというより一本の映画として楽しめました
映像作品として編集が秀逸だと思います
個人的にはDirtyThreeのライブ映像が一番格好良かったです
あとボアダムスが長めに収録されてるのが日本人として嬉しかった(笑)
(客として訪れているダモ鈴木の映像もあり!!)
とにかく客も出演者もみんなが楽しそう。羨ましいです