トミカ No.065 日立建機 双腕重機 アスタコ (箱)
トミカ建機としてはもっとも小さく華奢だが、両腕が動いて面白い。回転させたり、ポーズを取らせると、表情があって楽しい。アスタコの名前通りにザリガニに見える。ただ、このベトナム製のトミカ・モデルでは実機と違い、アームの先が開いたままなので、何かを掴めるわけではない。トミカ No.071 日立建機 ホイールローダ ZW220 (箱)よりもさらに繊細だ。
双腕式油圧ショベルASTACOは、「ガンダム建機」と一部で熱い注目を浴びた実験的ロボットだ。Advanced System for Twin Arm Complicated Operations(双腕複雑操作先進システム)の略だが、スペイン語の「ザリガニ」とも掛けた。2005年にガンダム好きの日立エンジニアが開発し、災害救助仕様と解体作業仕様がある。災害救助仕様は、東京消防庁と川崎市消防局に納入された(トミカギフト 東京消防庁レスキューセット)。解体作業仕様は、被災地の宮城県石巻市や南三陸町で、津波で流されたコンテナを解体したり、積み重なった瓦礫を取り除いたりした。最新 The建機 (別冊ベストカー)(p.50)でも特集されている。
http://www.hitachi-kenki.co.jp/products/hot/double_arm_astaco/
2本の腕を使えるので、両手で掴んで折り曲げたり、一方で掴まえながら他方で切ったり、重いものを支えながら下敷きになったものを引っ張り出したり、人間型ロボットのような操作ができる。2本のアームを両手1本ずつのジョイスティックで操作する。ただし、まだデモ機の段階だそうだ。1台数千万円の受注生産で、1,400-1,500万円での大量生産には至っていない。また、従来の機械では2本の操作レバーで1本の腕を動かしてきたので、その操作体系に習熟した職人には「双腕なんか現場でいらないよ。素人は分かっていないな」と言われそうだ。
http://diamond.jp/articles/-/14371
本格的に商業化されていない建機がいち早くミニチュア化されるのは、実機の販売促進手段にも一部使われるトミカ建機としては異例だ。しかし、モビルスーツの夢が膨らむのは事実だし、デモンストレーションや観測気球の意味もあるのかもしれない。