Hatching Mayflies
3曲を通して聴くと、他のレビューでも既に記述がなされている様に、音のみの世界にも拘らず、1つの素晴らしい映画作品を思わせる様な楽曲群とその構成にthe HIATUSのメンバーの皆さんのセンスの良さと技術の高さを改めて実感させられました。
起承転結で敢えて例えるならば、[起承]が1曲目の「Bittersweet/Hatching Mayflies」。[転]が2曲目の「The Brainwasher」。[結]が3曲目の「Snowflakes」。この楽曲はエンドロールの雰囲気をも漂わせている様な、儚くも美しい憂いさを感じます。
繰り返し聴く毎に更にこのepの良さを実感し、心地良く響く音の刺激がイイ意味で中毒性を有した面白く優美、且つ芸術的な1枚に仕上がっているかと思います。
次回作のアルバムがまたどの様な変化や発展を辿り、独特の個性を発揮し表現してくれるのか期待します。
さいこうのいちにち (児童図書館・絵本の部屋)
人生80年ともいう人の一生は、日にちに換算すれば約29,200日。その中で最高と感じた日はどのくらいあるのだろう…。今日は最高の日、と思える幸せな日があるのか。
今回紹介する『さいこうの いちにち』は昆虫のカゲロウのお話。
ご存知の方も多いと思うが、カゲロウの成虫は一日の命。地上に出た日が最初で最後の日でもある。このカゲロウがとらえた地球の一日の瞬間の全てにおいて、力一杯生きていると感じたことを伝えてくれる絵本である。
自然の美しさを、一瞬の変化も見逃すことなく気付かせてくれる。一日の移り変わりのあふれる色や動いている風にも光にも感謝しながら、夕暮れには子孫の幸せを願うカゲロウ。一日の終りはカゲロウの生涯を閉じる終りであり、カゲロウの未来を託す始まりでもある
昆虫のカゲロウの一日は『生きる事』が凝縮しているともいえよう。
絵本の色合いも綺麗。人の生涯と比較すると深刻で重たくなるから、サラッと力を入れずに読んでみるといいかも。