コールドマウンテン [DVD]
注意:ネタばれ有り
二コール・キッドマンって演技うまいんだけど、キャラが濃すぎるので配役間違えると大変な事になる役者さんです。例えば「ライラの冒険」・・・(三部作構成の予定はどうなったのだか)あれを見てからニコールキッドマンの映画に手を出しづらくなっていた。
本作はアメリカの映画脚本の授業で参考にされるくらい素晴らしい脚本だと耳にしたので、勇気を出してレンタルしてみた。
物語の舞台は南北戦争末期。ある2人の男女が恋に落ちた。たった一度の口づけを交わし、男は女を村に残し、戦場へ旅立つ。あまりに短い思い出だけを頼りに、女はコールドマウンテンで男の帰りを待ち続ける。悲惨な戦場で友や理性を失った男は、戦争の無意味さを知る。愛する女の元へ、命あるうちに帰ろうと、彼は重症を抱えたまま戦場から脱走し、徒歩で故郷・コールドマウンテンへ向かった。
愛する女の為にボロボロになりながら故郷へ帰る男と、男を待ちながら強くたくましい女へ成長していく過程を壮大に描いた一大叙事詩。
だいぶありきたりな物語でしたが、序盤の構成が素晴らしかったので完全に物語に入っちゃっていました。この手の話は食い入るように見ていればかなり面白いものです。ニコール・キッドマン・ジュード・ロウレニー・ゼルウィガー・ナタリー・ポートマン等、かなり豪華キャストを揃えて描く大味なメロドラマを、ヒット狙いの感動作というよりも、スケール感を保ちながら詩的に美しく描いたのはさすが名作「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ監督だ!もう亡くなっている事が残念でしかたない。
脚本もアンソニー・ミンゲラが担当しているのだが、脚本のお手本みたいな脚本という印象。だから、人によってはひねりの無い話だ。と思う人もいるでしょう。ただ、映画って見せる角度によって全然変わってくるという事を教えてくれる映画です。
ニコール・キッドマンがライラと比べて別人のように魅力的に見えたんだもん!!
コールドマウンテン コレクターズ・エディション [DVD]
南北戦争で、みな理性を失ったような狂った状態。
牧師ですら殺人を犯そうとします。
そんな中、魂を汚さず生きてゆけるのは
心に宿る誰かへの愛・・?
ニコール・キッドマンは切なく美しく、
ジュード・ロウも魅力的でした。
レニーちゃんは、この映画のスパイスのよう。
存在感あるたくましさです。
登場する人々の、様々な感情を思うと、
胸が締めつけられるような気がします。
切ない音楽も素晴らしい・・。
もう私のツボを押されちゃったみたい。
泣いた、泣いた、宝物のように美しい映画でした。
コールドマウンテン [DVD]
アンソニー・ミンゲラが撮る絵はとにかく美しく、どのカットを見てもまったくスキが見当たらない。完璧な構図と照明、格調を保った色彩の美しさ、コールドマウンテンの過酷な自然環境さえも計算しつくしたカメラが撮影する映像は、つっこみ所がまるで見つけられない。試しにポーズ機能を使ってランダムにDVDを止めてみるといい。その場面をプリントアウトして額に飾ってもおかしくない、絵画のように美しい映像が見られるはずだ。
南北戦争末期、北軍脱走兵のインマン(ジュード・ロウ)が、瞬間的に恋に落ちたエイダ(ニコール・キッドマン)の元に、北軍残党狩の追手を逃れながら極寒の野山をいくつも越えて、命からがら会いに行くというお話。とても処女には見えない妖艶なキッドマンが、男のオの字も知らない初心なお譲様役を演じているところが、この作品最大のキャスティング・ミスであったことは否めない。チョイ役で登場していたナタリー・ポートマンと役柄をチェンジした方がまだよかったのかもしれない。
それに対し、エイダに生活するための術を教えるルビーを演じたゼルウィガーが、ソツなく難しい役をこなしていた点は評価できる。男まさりでたくましい女性という以外これといった特徴もない役どころは、逆に相当な役作りが必要だったはずだ。おそらくその辺が評価されてアカデミー助演女優賞に輝いたのであろう。
しかし、結末が途中で容易に想像できてしまうストーリー展開はかなりの興ざめであったことも事実。まるで西部劇を思わせる雪中決闘シーンなども盛り込まれそれなりの演出がほどこされていたものの、同監督作品の『イングリッシュ・ペイシエント』と比べるとやはり原作の差がそのまま映画内容の差となって出てしまったようだ。
コールドマウンテン [DVD]
大作映画の香りが漂うオーソドックスな作り。先の展開もミエミエで、これと言って驚かされるヒネリはないけど、インマンが脱走兵になり、色んなイベントが待ち受けている。それとエイダの成長物語を交互に見せる事で、目先が変わってドラマ性に富んだ物語に仕上がってます。インマンがコールドマウンテンをめざす中で出会う人々は、彼の傷の手当て食べ物をくれる、現代で言えばエコロジストおばさん(アイリーン・アトキンス)、黒人の娘に子供をはらませちゃう、生臭さ牧師(フィリップ・シーモア・ホフマン)、戦争未亡人のセーラ(ナタリー・ポートマン)等々。個性的な役者が揃い、その演技と演出で、それだけでも1本映画が出来そう。壮大な抒情詩を見させてもらったという満足感。2時間35分は長くないです。さすが、「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ監督。激動の時代の中で、強く生き抜く女性の強さを描かせたらウマイね。
「風と共に去りぬ」と比較されてるようですが、戦争批判の色彩が強くなっています。南北戦争勃発のニュースが伝わってくると、かつて地域一帯の地主だったテーグ(レイ・ウィンストン)は、早速「義勇軍」を組織し、参戦に反対する若者に目を光らせる。戦争が起きてからは、脱走兵の逮捕と「私刑」に熱を燃やす。今まさにアメリカはそんな状況なのかと別の意味で思ってしまう。ルビーが、はっきりと戦争を批判するセリフさえあります。たった一度のキスの相手を運命の恋人と思いつづけるというあたりに、「?」マークが付きますが、あの時代はそうだったんだよね。(笑) とはいえ「恋愛映画」としての部分が弱いのも事実。やっぱり「反戦映画」なんだよね。人の心を突き動かすのは「大義」ではなく「愛」のみに人は命を捧げられるのだ、と。
エイダがヒロインではあるんだけど、ルビーは主役級のキャラですよね。女性キャラクターが2人というのは、恋愛映画には珍しく、それが三角関係でないという点でも新しさを感じます。レニー・ゼルウィガーは、今作で念願のオスカーを手にしましたが、ナットクです。ニコール・キッドマンは、エイダには少々トウが立ち過ぎてる感は否めませんが、それを補って余りある相変わらず美しさ。ジュード・ロウの男っぷりもイイ。