家庭で焼けるシェフの味 VIRONのバゲット ~ハードパンで作るサンドイッチ、タルティーヌ、ブランチメニュー~
こういう本が出るとは思っていなかったので、素直に喜びたい。
個人的にはメゾンカイザーよりVIRONのパンのほうが好きだ。
週末、VIRONのサンドイッチを買って、新宿御苑か代々木公園あたりでビールや冷えた白ワインを昼から飲む。
こんな贅沢はなかなか他に思いつかない。
(好物のパテ・ド・カンパーニュのレシピは本書にはありませんが)
本書を読めば、そんなVIRONのバゲットが家でも作れるかと思いきや、やっぱり難しい。
素材はシンプルなのだが、緻密な計量と丁寧なこね作業や成形、その他細かい判断が要求される。
煮る料理や焼いた料理ははレシピと違ってもそれなりに形になるのだが、
パンは正確でなければ美味しくできない。
そういう意味で、読めば読むほどVIRONの技術の高さを知ることになる。
料理本のようで、パンづくりの奥深さ、そしてパリっ子のこだわりを知ることができる、
そんな意味で本書は読み物として十分面白い。
高橋雅子の変換レシピ
ほぼ毎日パン焼きをしています。
著者のレッスンを受けたことがありますし、この本に登場するシェフ達の講習を受けたことがあります。
わたしは、おうちパン作りを楽しむ者なので、シェフ達の講習は、パンのプロの講習を受けることが出来る!という意味で、とても興奮し、
そして、プロのパン作りを見ることが出来るという意味で、とても勉強になりましたが、
そのシェフの、お店のレシピそのものを、実際に家庭に持ち込んで焼くには、
私自身の理解力の無さ、技術の無さ、それに、オープン他、設備、環境などの問題があり、
実際には、残念ながら、作ることができませんでした。
シェフ達のお店のようなパンを焼けない私は、以前、シェフに質問をしました。
「君のパンは、○○だから、まずいのか?」と答えられたシェフ。
製パンと家庭製パンの違いを、パン職人やシェフ達と一緒に、熱く語られていた著者の姿を思い出し、この変換レシピ本が出版されたことを、嬉しく思います。
私自身が、シェフの講習で実際に受けたレシピが掲載されております。
これが、家庭に持ち込んで作るには、勝手が違い過ぎで、作れなかったレシピでして、
著者の家庭用に置き換えられたレシピで、我が家の環境で、実際に作ることができ、
とても満足しております。
著者は、毎日、シェフ達と交流がある方なので(オンライン状態で!笑)、
シェフ達と一心同体で、プロのレシピを、家庭用に変換されたのだと思います。
シェフ達、これからも著者に、惜しみないレシピの伝達を!
よろしくお願いします。