ユダヤ人の脅威―アメリカ軍の反ユダヤ主義
この著作は、19世紀末から第2次世界大戦にかけてのアメリカ軍に存在した反ユダヤ主義を、軍情報部の秘密資料を中心とする膨大な資料を解読して提示した著者渾身の力作。ナチスの反ユダヤ主義が強調されがちであるが、ナチスに敵対していたアメリカ上層部にも根強い反ユダヤ主義は存在した。こういったアメリカにおける反ユダヤ主義は、9.11の同時多発テロ以降も形を変えて継承されている。「文明の衝突」を批判する向きもあるが、本書を読めば、「文明の衝突」が現在の紛争の根底にあることが確認できよう。
和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)
ホークスの和田は学生時代からヘンなピッチャーだなと思っていた。江川の奪三振記録を抜いたにもかかわらず、まったく豪腕タイプではない。六大学のレベルが落ちたのかな、とも思うが、それにしても奪三振率はすごい。本の結論を書いてしまえば、三振を多くとれる秘訣はボールの回転数の多さだろう、としている(だろう、と書いたのは、実際にボールの回転数を計っていないから)。初速と終速の差が、松阪クラスで7~8キロあるのに対し、和田は4~5キロしかないという。ということで、キャッチャーのミットに収まるまでの回転数は40回転ぐらいに達しているだろう、としている。ここらへんをNHKあたりで実際に実験してくれないかな、と思う。
個人的にはボールの回転数もあるけど、やっぱりボール隠しのフォーム(ずっと打者から見て、グラブがボールを握っている手を隠している)と、バックスイングの小ささではないかと思っているのだが。野球のワールドカップはプロ野球選手会の反対で開催が危ぶまれてはいるが、もし、決勝で投げさせるのだったら、やはり和田ではないだろうか。それほど打ちにくいピッチャーだと思う。
グラブを親指で押さえ込むような方法で閉じているという話は初めてきいた(pp.74-75)。
外国人雇用マニュアル (「小さな会社」シリーズ)
10年近く外国人採用の仕事に携わってきました。
入管法改正もあって購入しましたが、大変分かりやすく心強い一冊です。
他のレビューアーの方も書かれていますが、税金や社会保険の説明に加え、採用や人事管理上の留意点などにも触れられており、これ一冊でポイントは網羅できると思います。
あとは、申請書記入例をもう少し掲載してもらいたいのと、関連条文・通達などを巻末資料として掲載してもらえると大変助かるなと感じました。
ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の未来 (シリーズ「失われた10年」を超えて―ラテン・アメリカの教訓)
日本社会の現状や将来を考える際に、アングロサクソンやニュージーランドの改革だけではなく(それも失敗なのだが)、ラテンアメリカの構造改革からも学ぶところは多いはずである。日本の構造改革は、第三世界型新自由主義ではないものの、この本からやはり現在進行中の事態の輪郭は見えてくる。
ただし、ラテンアメリカの個々のケースの羅列といった観がないわけでもない。理論的にもう少し踏み込んで分析可能であったとも思われるので星4つ。しかし、野心的な試みであることは間違いない。
外国人のための起業・会社設立支援マニュアル―国際業務必携!
This book contains important information for foreigners to start business in Japan: Companies Act, Labor Act, insurance, immigration, taxation etc. As the author notices, basically this book is valid for small business; as for larger enterprise, additional restrictions which are not mentioned, such as minimum of handicapped employees, are placed. Anyway, from my point of view, choice of the information is done well.
Yamada, Autistic Registered Management Consultant