児童書とは思えない内容に驚きましたがじっくりと読めました、つらく切ないのですがラストで主人公朔が「大人」になる約束で救われました。近いうち映像化するんでしょうかねー?
精神年齢の高いこどもおすすめ度
★★★★☆
全体的に好きな作品です。
作品の中に瑞々しさ、初々しさが感じられます。
読まないとわかりにくいかも知れませんが、
7年間の時をタイムスリップによって超えた事にから起こる、
家族との存在しながらにして感じる隔絶や孤独の描写は良い仕上がりだと思います。
初恋の人との再会、再びはじまる初恋、
その初恋の人を巡って、今では自分の年上となった弟との、
サッカーのPK戦を通じての決闘は、心の琴線に触れてよかったです。
気になったのは、語り手でもある、幼いままでいる主人公の心理描写。
疑問符を付けずにはいられないほど、精神年齢の高さを感じてしまいます。
総じて子供じみたところが薄い、達観した語り口がそうですし、
特に初恋の人に関する描写はハッキリ言って“オヤジくさい“感じがしました。
児童文学と言うけど、この辺何とかなればな、と思いました。
それでも、細やかに切なさと希望があふれてくる作品ではあると思いました。
優しいラブストーリー
おすすめ度 ★★★★★
十歳の朔と砂緒(スナオ)の会話が、どう考えても十歳の会話じゃないし、カフカの『変身』のように理不尽で不条理だし、謎は謎のままなんですが、読後感は悪くない。
ごまかし方がうまいのかしら(笑)?
後書を読むまで児童文学だという事に全く気付きませんでした。
やけに平仮名が多いなぁとは思いましたけど、『守り人シリーズ』といい、児童文学って案外難しい題材を扱うのね。
対象年齢高学年以上かな。
大人が読んでも楽しめる、素敵な本です。