日本野球を題材とした組織論おすすめ度
★★★☆☆
あの野村監督の「一流」論。知り合いの強い勧めもあって読んでみた。
まず何より、読みやすくて、（日本の野球にある程度知識がある私には）なかなか面白い。また随所に、会社経営にも通じる「野村イズム」がある。
ー 野球とは団体競技であり、チームの勝利こそが究極の目標である
ー 先入観は罪、固定観点は悪
ー 人間的成長なくして、技術的進歩はない
ー 組織はリーダーの力量以上には伸びない
ー 人は情によって動く生き物だ。理論や知識を蓄えたところで、最後は情がものをいう。
ー 教えないことこそ名コーチ。なるべく教えるな、考えさせろ。
ー 一流となる選手は、他より多くの疑問を抱き、失敗から学び取る力に優れている
ー 評価というものは、決して自分で下してはいけない。評価は他人から下されて、初めて意味を持つ。
また、シーズン途中だというのに、現在の自軍の選手や他チームの選手の強みや弱みを論じているのは、「大丈夫？」と心配になってしまうし、自分が日本代表監督候補にならないことに対するボヤキが正直に書いてあるのも、歯に衣着せない野村監督らしくて面白い。
ただし、日本の野球を知らない人には理解できないことが多いであろうことと、面白くて読みやすいけど内容は少ない（２時間で読める）ということで、☆は三つのみ。
野村監督本初心者にお勧めおすすめ度
★★★☆☆
野村監督の本を１０冊近くは読んでいるが、その中でもこの本は野球にそれほど興味が無い人、昔の選手の事をあまり知らない人が読んでも楽しめる本になっている
組織の中でのエースの立ち振る舞いや心構えの重要性・あるべき姿といった事が、キャッチャーや監督といったそのエースを信頼し、最もそばでともに戦っている物の目から語られていて、これがなかなか普段の生活の中で役に立つ
また、「全日本チームへの思い」の章で語られる監督の思いの様に、思わず笑わされてしまう所もあり（内容は読んでのお楽しみ）
監督の本をすでに何冊も読んでいる人・野球通の人にとっては、若干の物足りなさを感じさせるかもしれないが、１０５０円（税込み）と言う金額を考えれば仕方がないかところか？
プロの品格おすすめ度
★★★★★
『プロの品格』というタイトルの内容だと思いますが、『エースの…』の方が野球らしいですね。
野村監督の持論と自論。プロとは何か。自分を磨くとは何か。
野球という舞台を通して、人間として成長することが生きる上で大切ということ。
またごく最近の野球界での話題にも触れられていて、なるほど野村監督はこう考えるわけか、
と頭の使い方を学ばさせていただいているようです。
最後に、日本代表監督の話が出てきます。ボヤキは永遠なり。これも愛嬌でもあり、本音でもあり。
本物のプロ野球監督の執筆した本物の野球論。
おすすめ度 ★★★★★
楽天イーグルスの現役最年長監督であり、唯一地に足がついた野球道を持ち、人生哲学を持つ野村監督。最近、後世に野球とは何か?人材論、適材適所の大事さとは?この事について、驚くほどのペースで書籍を執筆し、野球ファンに遺言を残しているように思える。この本では、一流と二流の違いについて触れているが、投手論では、昔は故稲尾和久、金田正一、杉浦忠、江夏豊さん。今では、人間性としても投手の力量としてもダルビッシュ有と川上憲伸投手は一流であると明言されている。この野村克也監督のエースの資格の内容を簡潔にまとめるのは難しいが、野球道を極める為には、素質、努力、挑戦、人の助言を聞く事のできる柔軟な心と一番大事なのは社会に出ても恥ずかしくない人格形成を野球をとうして磨けば必ず大成するというのが、野村監督が本書で野球ファン及び現役野球人に伝えたかった事だと思う。今のプロ野球監督で唯一の本物の監督に敬意を表します。
