「大きらい」を乗り越えることの難しさおすすめ度
★★★★★
あの9・11同時多発テロ以降、行方不明の恋人の消息を求めてアメリカに渡るの舞子。その彼女の等身大の視点を通して現代アメリカの抱える病巣を浮き彫りにしていると思う。
人種差別、銃社会、権威主義・・・やや、言葉足らずかなと思えないこともないが、問題と真直ぐに向き合う姿勢は好感が持てます。著者のカメラや銃に関する知識、事前のアメリカ取材が活きています。(アメリカ取材珍道中は巻末付録で楽しめますよ)
「アメリカなんて大きらい」と言うタイトルは意図的なものなのだろうか?私たちはこの「好き嫌い」で他者を攻撃し排除する姿勢を乗り越えない限り真の平和もここに描かれている諸問題も解決できない。なぜなら、あの同時多発テロも「アメリカなんて大きらい」と言う人々によって引き起こされたのだから。
「アメリカのここが嫌い」「ここが問題だ」と言う視点で描きすすめるのではなく、何かを「大きらい」と言ってしまう自分自身の心と向き合うことが二巻以降のテーマになって行けば素晴らしい作品となる可能性があると思うのです。それが、一番難しいことなのですが。
彼が惹かれたアメリカで、舞子は何を見るのか?おすすめ度
★★★★☆
9・11ニューヨークテロ以降、消息を絶った恋人を探す為、舞子(主人公)はアメリカに向かう。
恋人が送ってきた写真を元に恋人を探す中、色々な人との出会い、様々な文化に触れながら、舞子は恋人が惹かれたアメリカの事を知っていく・・・
恋人を探しに行くのだが、連れが恋人の父親って言うのが、何と言うか・・・
恋人の実家が中古カメラ屋の為か、古いカメラも出てきて、カメラ好きには結構楽しめるかも。
タイトルは「アメリカなんて大きらい!」だが、次第に好きになっていくのか気になる。
また、舞台がアメリカという広大な国なので、一体何巻位の構想なのだろうか?