何故酷評だったのかおすすめ度
★★★★★
恋愛映画であるが、プロットはあるもののそれがくっきりとした形で表現されていないことで当時の映画評論家たちからは酷評を喰らったのだろう。しかし、この作品の中の恋愛の当事者二人(正木と冬子)の愛のかたちのあり方を見ていると、こういったどこかぼんやりとした表現方法が合っていることに、評論家たちは気付いていない。百人いれば百通りの恋愛のかたちがあるわけで、必ずしも型にはまった表現方法である必要などないはずである。
何の先入観もなくこの映画を見た人には、きっとこのストーリーの美しさがわかるはずだ。冬子役の藤原礼美は正直に言って大根だったが…。映像も、単に風景が美しいというだけでなく、二人の織りなす微細な愛のかたちと相まっており、一層そのあり方が浮き立っている。また、今更ながら小田氏の音楽監督としての偉大さにも感服させられる。楽曲の、しっくりと馴染んでいる存在感。特にラストに流れる一曲の詞、余韻は鳥肌モノである。
確かな愛の存在よりも、映画のあり方を重視した評論家たちなどクソ喰らえ。感性が欠如しているとしか私には思えない。
ラストシーンの笑顔を観るために・・・
おすすめ度 ★★★★☆
映画評そのものは、こてんぱんだけれど、僕はこの映画好きですよ。何よりさすが小田さん。サントラは抜群。特に「冬子のテーマ」はいいですね。映画も、時任三郎・津川雅彦のファンだからというのもあるけど、ヘビ女みたいできついけど藤原礼実の(最後の最後でみせる)笑顔・・・。あの数秒のために100分待ってたといっても過言ではありません。病院での笑顔もよいけれど。ビデオは廃盤、DVD発売予定なし(ファーイストいわく)。手元にあるのは、公開当時のビデオをレンタルしてきてダビング(コピーガードなんて概念が無かった)したのしか手元にないので、このたびDVDに焼きなおしたんだけれど、やっぱりもう既に「粗い」のが気になる。DVD出してくれーーーーーー。