『ラスカル』の“少女版”いうのではない!おすすめ度
★★★★★
ジャッキーとマーフィーの日常生活と別れという
「世界名作劇場」の常套的ストーリーです。
しかし本書の裏側には広大な思想的なものが広がっています。
それはイギリス帝国主義、奴隷、環境破壊などです。
率直に言えばジャッキーたちの生活は、
原住民たちの領域や仕事を「奪い」そして
彼ら原住民を召使として扱うことで成り立っています。
ジャッキーたちと原住民テンボは仲良く描かれています。
しかし、彼女らの配置をよく考えてみると
帝国主義と奴隷制という恐怖の「絵」が浮かび上がってきます。
そして密猟者たちが出てきます。
彼らは象牙などを「東洋」に売りさばくといいます。
これはすなわち我々「東洋人」もアフリカの資源を搾取しているグループに
属していることが分かります。
アニメ版『ブッシュベイビー』の脚本は宮崎晃さんです。
このような思想を埋め込んだ宮崎晃さんに敬服しています。
小説版の作者は苦労したことと想像しております。
ご苦労様です。