素晴らしい作品おすすめ度
★★★★★
皆さんの評価でもう宮野さんの評価は充分なのですが自分の様な若輩物にも語らさせて下さい。
3年前、亡くなった叔父の遺品を片付けているとマイルスやミンガス(他多数)の洋楽LP(100枚?)に混ってわずか数枚あった日本人の作品の一つがコレでした(ちなみに他は渡辺貞夫、今田勝、秋吉敏子さんだったかな、)
元々ロック〜ブルース畑である私はジャズ〜フュージョンなんてジェフ・ベック程度しか知らず、本作はCD化もして無かったので宮野さんの存在も知りませんでした。また、よくある洋楽聴き始めの日本人に対して蔑む感はありませんでしたが、『今だにCD化されて無いから良くない』とか『すぐに消えたからCD化されてない』といった誤解が当時ありました。
でも、本作を聴いて正直言葉を失いその事を反省しました、それと同時にこんな素晴らしい作品が今だにCD化されていない事に驚きました。
本作のギタープレイは音数が少なくいわゆる速弾き的なフレーズはそんなにありませんがリズム・グルーヴと空間を使う技術が本当に凄いし透通ったギターの音色も特質物ではないでしょうか?
あとアールクルーと共演したCDの所にも書いてありましたが自分も宮野さんはアールクルーよりパコデルシアに近いと感じました
本作は私の様な新規でも気軽に聴くことが出来ました、なので今だ広く知られていない宮野弘紀さんをこの機会に知って貰いたいです
27年ぶりのCD化おすすめ度
★★★★★
嬉しい紙ジャケでのCD化で2000円は安い。レコードを手にしていたときの記憶が喚起されて、より感動的である。Jフュージョンでの傑作でカズミ氏の「トチカ」と並ぶ作品だと思う。1のメロディックな楽しさからして素晴らしい。ピアノソロの熱い曲では、当時の記事で「海外ミュージシャンがここまで本気でプレイしているのを聞いたことがない」とまで書かれていたのを思い出す。そして川崎氏のギターシンセのセンシティブなプレイ。語りだせばきりがないほどの作品だと思う。
27年間 待ちました!
おすすめ度 ★★★★★
ようやくCD化された。アコースティック・ギタリスト宮野弘紀の1stアルバムだ。レコードが発売された1980年頃はフュージョン真っ盛りの時期で、多くのミュージシャンが当時「クロス・オーバー」と呼ばれたこのジャンルに参画していた。特にギタリストの参入が多く目立っていたものの、エレアコで切り込んで来たのはこの宮野弘紀ただ一人ではなかったか。当時、秋山一将というジャズ畑のバカテク・ギタリストがいて大いに注目を集めたが、私は「アレンジのバリエーションの広さ」といった大局的な見地から見ても宮野弘紀の方が何枚も上だと思っていた。
ニューヨーク・マンハッタンで、あのマイルス・デイビスのプロデュースをしていたテオ・マセロを迎えてレコーディングされたこの作品には、NYの超一流どころのミュージシャンが参加しバックを務めている。この新人ギタリストのために参加したミュージシャンたちが、実に熱い演奏を聴かせてくれている。宮野の手による楽曲・アレンジに幅の広さを感じた彼らが、まさに全力でプレイしているわけだ。よってアンサンブルのレベルが非常に高く、各楽曲ともタイトで完成度の高い仕上がりになっている。これは本当に素晴しい作品。ここまで中身が詰まったアルバムはそうはお目にかかれない。当時、ブームに乗ってフュージョンをプレイし、つまらないアルバムを連発していた大御所ミュージシャンもいたが、この人は違う。「日本の若武者がNYを相手に互角に勝負した」と言っても過言ではない力作中の力作だ。27年間、再発を待った甲斐があったというものだ。