大人でも感動するおすすめ度
★★★★★
二宮金次郎は、今では子供どころか、大人もほとんどその事蹟を知らない。しかし、日本の歴史上、庶民・農民として最も偉大な人物の一人といってもよい。「報徳記」「二宮翁夜話」などの訳本を読んでもよいが、なんといっても読み応えがあるのは、少年時代の、想像を絶する苦難、すなわち、両親の死、洪水による田畑の壊滅、弟たちの離散、叔父方への居候というどん底の時代から、工夫と勤勉を重ねて蓄財し、独立し、たちまち二宮家を再興して大地主になっていく青年時代であり、後半生の農村再興に対する無私の奉仕活動と併せて、その生き様の迫力は、昔の農民にとっていかに痛快なヒーローだったかと思う。昔の日本の「農民魂」の最良の部分を味わう伝記として、二宮金次郎は追随を許さない。この漫画は子供にも非常にわかりやすいため、おすすめである。
2,3代もさかのぼれば殆どの日本人は農家に生まれている。祖父の代までいけば、二宮金次郎の事蹟は、目の前の苛酷な現実でもあった。にもかかわらず、すでにとうに失われた記憶でもある。
小学校の銅像しか知らなかった人の為に
おすすめ度 ★★★★★
二宮金次郎というと、誰もが小学校の銅像を見た事があり、
なぜ、薪を背負って本を読んでいるのかわからなかった。
正直で、勤勉な人であったから、戦前軍国主義者に
利用されたかもしれない。
美辞麗句を述べるつもりはないが、生い立ちを嘆く事もなく、
学問で家を再興する。また、私利私欲にとらわれないで、
農民の生活を考えるところは、今の政治家に教えてあげたい。
とにかく、不景気の時代に、元気付けられる書物の一つだ。
子供の本を読んで、本格的に評伝を読んでいる。
今年最高の本であった。
どんな時代に生きても、正直と勤勉は自分の将来に明かりを灯す。