レコード芸術 2008年 04月号 [雑誌]
サンプルCDは、車で聞くのに適しています。
音質がいいですが、音楽に聞き入ることはできない状況なので、1局入っている必要もありません。
問題なのは、雑誌をちゃんと残しておかないと、この曲よかったので、CDを買おうと思ったときに、なんていう曲かがわからなくなることです。
レコード芸術は、このCDだけでも十分ものが取れる雑誌です。
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲
ショパンの協奏曲1番は個人的に聞き飽きたというか食傷気味で
あまり聴く気の乗らない曲なのだが、この六重奏版はそんな耳にも新鮮に響く。
とくに各楽器の音がはっきりと聞こえるので、
一切の手抜きが許されないという緊張感がたまらない。
ルイサダのピアノもワルツやマズルカの録音でやや感じられた
窮屈さみたいなものがほとんど無く、なかなか自然で良い感じだ。
一方ドヴォルザークの五重奏曲は曲自体がやや冗長に感じられ、
あまり楽しめなかった。
(演奏が悪いわけではないと思うが...)
バレリーナ
よく知っているバレエ音楽がたくさんはっています!
ジャケットもかわいいし、とてもお気にいりです!
バレリーナを目指すお嬢さんをお持ちのママにも!
ママがバレリーナを目指す人にも!お勧めです!
親子でバレリーナ!いいですね!
ショパン:バラード(全曲)
これは本当に素晴らしいショパンである。このアルバムを聴くと、ルイサダというアーティストが、この録音を行った2010年の時点で、本当に脂の乗った、ショパンのこれらの名作にアプローチするのに相応しいところにいると実感できる。これより少し前に出たマズルカ選集も素晴らしいものだったけれど、バラードという大曲を前にしても、ルイサダは「らしさ」を少しも失わず、むしろその立脚点を存分に活かし、新たなバラードのスタイルを創造してしまうほどの力を宿すまでになったようだ。
ところで、ルイサダらしさ、とはいったい何だろうか?そう、ルイサダのショパンはとっても個性的なのだ。例えば、バラードの第1番、おもに左手で、トントン、トントン、と刻まれるリズム、4分の6拍子特有の間の空けられた音型があるが、この「間」がルイサダの手にかかるときわめて多様。様々な曲想に応じてその強弱、拍のタイミングは大きな揺らぎ幅を持って振幅する。しかし、その振幅はホロヴィッツのように劇的な演奏効果を得るためのものとはちょっと違う。ルイサダは曲を細分化し、そこから自分なりの分節点を見出し、その分節点の間での音楽的機能を十全に与えるため、取りうるだけのアヤを音に与えているのである。それは間合いと強弱のみならず、その音の質(つまりソノリティー)にも及んでいる。これがルイサダの演奏の真髄の一つを成す大きな要素だ。
もちろん、それらのアプローチは、元来楽譜に書いてあることではないし、作曲者の指示に従ったわけでもない。ルイサダのスタイルは「独創的」にして「創造的」なのである。近頃、エデルマンのバラードも聴いた。それも見事な演奏だと思ったけれど、エデルマンとルイサダのスタイルはまるで違う!乱暴な言い方を許してもらえれば、エデルマンはまさにロシア・ピアニズムの本流、対するにルイサダはフランス流ショパンである。
しかし、そんな個性的な演奏だけれども、ルイサダの演奏はとっても魅力的。もうあちこちで奏者が聴き手に微笑みかけてくるような瀟洒でチャーミングなぬくもりに溢れているのだ。なんと暖かみの伝わるタッチだろう。本当に心暖まるショパン。
中でも印象的だったのは、バラードの第3番、第4番とアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズの3曲。いずれでもルイサダのスタイルは如何なく機能し、脈々と音楽の要素が供給され続ける。特に、私がアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズのピアノ独奏版をこれほど心行くまで楽しんだのは、この演奏が初めてのように思う。出来れば次はポロネーズ集の録音をお願いしたい。それと即興曲もぜひこの時期のルイサダの演奏で聴いてみたい!