林檎ものがたり (りぼん おとめチックメモリアル選) (集英社文庫―コミック版)
小学1年生から「りぼん」を読んで字を覚え、6年生で「なかよし」を読み、
中学高校時代はコミックは読まなかった気がしますが、
大学では「別冊マーガレット」を好きな男の子と回し読みをしていました。
フリーで仕事をしていた時には小学館の「ちゃお」の編集にも携わっていた「わたし」を、
消えかかった記憶から呼び戻してくれた「林檎ものがたり」。
「写植の級数」とか「チェリッシュ」とか、若い方はなにそれ? と思うでしょうね。
ファションも当時を思い出させますし、四十代以降の方なら、
きっと泣いてしまうくらい懐かしい気分に浸れると思います。
あの頃は安い林檎をよく食べたこと、ちょっとしたことで泣いたり笑ったり、
うれしい時には天にも昇る気分になれたこと、
色々なあの頃の「わたし」を思い出させてくれました。
ハルジオンの庭 (クイーンズコミックス)
以下の文は敬称略で。
田渕由美子は、70年代後半、りぼんを中心とする「乙女ちっく」少女マンガの黄金期の立役者。と言っても、その当時のマンガは「フランス窓便り」くらいしか知らないんですが。それから20年あまりの時を経て、すっかりベテランになった彼女の短編集がコレです。個人的には、ここに収録されてる作品の方が、ずっと好きです。
陸奥A子にしてもそうなんですけど、主人公は、作者と同年代で、描かれてることは、身の回りのディテールだったりするところは当時と一緒。でも、やっぱり色々な経験を経て、苦い思いなんかもしながら大人になっていったかつての乙女達。それでも、彼女達にはやっぱりどこかにかつての「夢見る少女」の部分がのぞいてる。それを描くのがやっぱりすごーくウマくて、僕のようなオッサンが読んでもやっぱりジーンと来てしまう作品ばかり。
中でも、不倫を清算するために一流企業を去ったヒロインと大学生のゆきずりの恋愛を描いた「ジョンとメリー」がお気に入りです。大学生の恋人の設定とかがね、いいですね。カワイイけど、ワガママで利己主義的なこういう若い女の子、いそうだもんなあ。
あんまり本屋で見かけないですけど、田渕由美子を知らなくても、少女マンガが好きならハズれなしの作品集です。
少女雑誌ふろくコレクション (らんぷの本)
ページを開いたとたん、陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子の懐かしいふろくが目の前に現れました。
色合いが本当にかわいくて、イラストのちょっと古い感じがとっても切なくて。
こういう付録を本当に大切にしていたなぁと感傷に浸ってしまいました。
まるちゃんもとってもかわいい!カルタの内容は思わず真剣に読んでしまった!
内藤ルネとか田村セツコとか、自分が知っている付録じゃないイラストも、あまりにかわいくて驚いた。昭和30年のイラストとは思えないほどかわいかったです。
付録ってどうしてあんなに素敵なんだろう。
どうしてこんなにときめくのだろう。私にも乙女の時代があったってことなんだろうな。
まらそんノススメ
若くて綺麗で忙しいうちはやらないであろうジョギング、ましてやマラソン、私も体力、体型の衰えに走り始め大会参加にはまり始めたばかりのミドルエイジです。この本の最大の特徴はエリートが市民(エイジグループ)のために書いたものではなく、素人の体験記、それが編集者と漫画家という表現のプロによるものだということ。最高にファッショナブルで笑わせてくれる、稀有なマラソンブックです。
田渕由美子 作品集★1 フランス窓便り
乙女チックな女の子の物語は今読んでも心にぐっと来ます。そうそうこんな男の子に憧れてたっけ。。。
あれから月日は流れまくってしまいましたが、いくつかの場面やセリフがずっと心にひっかかっていました。
この文庫版はふつうのコミック本よりずっと小さいので老眼鏡をかけて読んでしまいました。苦笑
それでも15歳だった自分や友人たちの姿に重ね合わせながら涙してしまいました。
今の子供たちってこういうのを読んでどう思うのでしょうね?夢見る乙女は今もいるのでしょうか?
少女漫画の主人公の様な男の子は回りにもいた様な気がしますが、今どんなおじさんになっているのでしょうね?
あの頃乙女ちっくな女の子になりたかった女性達は私も含めて「強いおばさん」になってしまいましたが。。。
小さくて可愛いふわふわ頭の女の子や細くて美形の優しくて心の広い男の子はその後どうなってしまったのでしょうか?
あとがきにもありますが私達は男女雇用均等法やバブルや女性総合職の世代なのです。
そして何かの拍子に可愛い女の子や熱い男の子をのぞかせてしまう世代なのです。