ホーリー・ウェディング【字幕版】 [VHS]
マリリン・モンローに憧れるヤンキー娘のハバナは恋人のピーターと遊園地の金庫から金を強脱し、彼の生まれ育った宗教コロニーに身を隠すことにした。そこで宗教の掟に従い結婚式を挙げるが、その直後にピーターが交通事故で死亡してしまう。おまけに宗教上の理由から、ハバナはピーターの12歳の弟ジークと結婚するハメになってしまう。・・・
「こんなの、あり!?」と叫んでしまうぐらい馬鹿馬鹿しい設定なんだけれど、とにかく笑わせてくれます。まあ、固定的な宗教観念に生きるコロニーの人々をもっと深く描いたりしても面白かったと思うけど、これはもう笑って楽しむだけの映画なんでしょうね。ジークが町の人口が記されている入口に「馬鹿女1人」と書き足すところや、初夜にむけてリハーサルに挑むところなど、笑いのポイントは随所に散りばめられています。
最初はちょっとしたことで(白目をむいて)気絶してしまうぐらい弱虫だったジークが、花嫁!?のハバナのために奮起して男をあげていくところはなかなかいいです。
恋愛のパーセンテージ (Holly NOVELS)
記憶喪失ものでした。
思いだせそうで、思いだせないあのもどかしさ・・・。あの人は誰だったんだろう?・・・と、鏡は常にこんな気持ちを抱えて生活しています。
中学生の頃の記憶。そこで知り合ったある白髪の青年と自分の関係。自分はその人が好きだったらしいが、記憶はおぼろげ。
大学生になって、毎日そんな思いを抱えながらもバイト先で居心地のいい思いをしている鏡が、そのバイト先で起きる人生の3大ニュースになりそうな出来事に大混乱します。
雇い主の夏八木の本心が見えないわ、昔の記憶はとぎれとぎれだわでグルグルする鏡ではありますが。
彼は、意外と考え方に1本芯が通っていましたね。
そして思い切りがいいというか腹をくくると豪胆だし、口では大人も勝てない論理を繰り広げられる。
それを中学の頃にやってのけたのは、ある意味凄いです。啖呵もカッコ良かったです。
その啖呵のおかげで白髪の青年の心を癒し、彼の心の中に深く刻み込まれるほどの恋をされてしまうのですから。。。
記憶を戻そうとする話は、謎ときと同じ。
なので、そういう話がお好きな方はいいと思います。
記憶喪失の理由とか、夏八木の言動の理由とか・・・最後の方までなかなか真実が分からなかったけど、分かってしまえばすべて納得できます。
謎解きの楽しみの為にネタバレは避けますが・・・。
一言言うなら。。。
やはり最後まで思い切りが良かったのは、鏡の方でしたね。
大人の方が(大人だけに)ヘタレでした(笑)。
眩暈(めまい) (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ)
幼なじみの二人の少年期から青年期までの移り変わりと、すれ違う想いを描いたあまりにも切ない話。
澄は顔立ちが綺麗な圦也の幼なじみ。幼少時代の澄はかなり意地が悪く平気で嘘をつくような人間。
十七の夏、興味本位で圦也と寝た澄は、その後の自分の性癖と人生を決定付けられる。
成長するにつれて孤独になって行く澄を、激しく憎みながらもひたむきに愛して行くのが圦也だ。
彼だけは最後まで澄を見棄てなかった。澄にどんなに裏切られても、どんなに傷つけられても。
幾度となく別れと再会を繰り返す二人。
過酷な経緯を辿る二人の運命が、ラストにむけてより一層甘美な時へと変貌を遂げる。
年齢を重ねた澄は昔のように綺麗な少年ではないけれど、昔と変わらないひたむきな圦也の愛は、
眩暈がするほど美しく光り輝いていて、涙なくしては読めない秀作。
新装版発売につき、以下追記。
書き下ろし、楽しく読みました。圦谷はどんだけ澄のことが好きなんだよ笑。
恐らく作品に嵌れるか否かは、この意地悪で傲慢で頭の悪い澄のことが受け入れられるかどうかで決まると思います。
内容はどこか『檻の外』や『さようなら、と君は手を振った』に通ずる重さや暗さがあり、
女という性を軽視、侮蔑する描写がふんだんに含まれています。
それだけでかなり人を選ぶ作品ではあります。
私はこの頭の悪い何の才能も取り得もない、恐らく何かしらの人格障害か、
先天的に人としての何かが欠けてしまっている澄に自己を投影していて、
圦谷に救われる彼を見るたび、自分も救われた気持ちになるからこの作品が好きなんだと思います。
書き下ろしでも澄は本当にどうしようもないバカでした笑。
二人は相変わらずラブラブで、圦谷は相変わらずバカな女王様気質に苦労していて、
その滑稽なやりとりに微笑ましさを感じ、とても幸せな気持ちになりました。
そんな自分も相当病んでるかもしれませんが、個人的には大満足です。
唯一、残念なのは描き下ろしのピンナップ。旧作と同じシチュのイラストでした。
出来れば違う場面の二人が見たかったです。
表紙の描き下ろしは美しく、何年経っても色褪せない挿絵の確かな画力、表現力には今一度脱帽しました。
ホーリー・ウェディング【日本語吹替版】 [VHS]
マリリン・モンローに憧れるヤンキー娘のハバナは恋人のピーターと遊園地の金庫から金を強脱し、彼の生まれ育った宗教コロニーに身を隠すことにした。そこで宗教の掟に従い結婚式を挙げるが、その直後にピーターが交通事故で死亡してしまう。おまけに宗教上の理由から、ハバナはピーターの12歳の弟ジークと結婚するハメになってしまう。・・・
「こんなの、あり!?」と叫んでしまうぐらい馬鹿馬鹿しい設定なんだけれど、とにかく笑わせてくれます。まあ、固定的な宗教観念に生きるコロニーの人々をもっと深く描いたりしても面白かったと思うけど、これはもう笑って楽しむだけの映画なんでしょうね。ジークが町の人口が記されている入口に「バカ女1人」と書き足すところや、初夜にむけてリハーサルに挑むところなど、笑いのポイントは随所に散りばめられています。
最初はちょっとしたことで(白目をむいて)気絶してしまうぐらい弱虫だったジークが、花嫁!?のハバナのために奮起して男をあげていくところはなかなかいいです。
さようなら、と君は手を振った (プラザCOMIX Hollyセレクション)
もう、愛が深い。
作者のあとがきにあるように、恋愛にはいろんな形があって,壊れるものの方が多い、
恋愛に痛みがなかったらこれほどたくさんの恋愛小説は氾濫しなかっただろう。
日々自分が生きて行く上で、苦しい恋愛をしていて、まるで毎日が山の頂を歩くような日々だったとしたら、この本を読むのは命がけです。木原作品はおしなべてみなその傾向があるのですが。
主人公達の台詞一つ一つがリアルで、普段閉じている心の奥底をぐっと掴まれるようになります。
自分の子さえ見えなくなるような激しい愛情を持つ。ある意味不幸ですが、奇跡でもあります。お互いの心と肉体にのめり込んでゆく様は非常に官能的に描かれています。
愛に殉じる男達に嫉妬を覚える反面、第3章である物語では、その男の愛を得られず消え入りそうになっている子供の愛の形が描かれ、ほらやっぱり、と言いたくなる心痛む展開。
そこに、狂おしいまでに愛と肉体の温もりを欲する子供と、戸惑いながらも子供を抱き続ける男がいる。やるせない作品ですがこの本の締めくくりにふさわしい短編だと思います。
「空を見上げて,両手を広げて」というタイトルに涙がこぼれます。