ライヴ・フロム・ザルツブルク [DVD]
初来日で話題を呼んだ、DUDAMELとベネズエラのユースオーケストラのザルツブルグ音楽祭ライブです。曲目はBEETHOVEN「TRIPLE CONCERTO」MUSSORGSKY「展覧会の絵」他です。ベートーベンではアルゲリッチを司令塔にした、まるでジャズのセッションのように伸びやかで快活、エネルギーに満ちた演奏を聴かせてくれます。ムソルグスキーではそれぞれの絵画が目に浮かぶような自由で独特の表現に満ちています。オーケストラがうねり、指揮者と共鳴し、音楽する喜びが聴き手に伝わり、涙が出ました。ベネズエラの教育プログラムと、日本の音楽教育の違いにも考えさせられました。とにかくすばらしいです。今度、来日したときには、絶対に行きます。
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番
「古典はつまらない」→「面白く聞かせなきゃ」という世代が確実に出てきていますね。ピアノではファジル・サイ、そして指揮者ではこのドゥダメルでしょう。ここまで興味がないのならわざわざ録音しなきゃいいのに…というような無味乾燥なベートーヴェンです。
クライバーなんかも、似た感じですが、彼は「第五」をはじめ、クラシックやオペラが好きで好きでたまらないんだな〜という陽のオーラが感じられ、まぁそれが「深みがない」なんて批評もあるのですが、そういう「演奏する意味」みたいなものを強く感じました。しかし、ドゥダメルにはそれを全く感じません。
サイモン・ラトルなんかも同系列ですね。彼は「古典をやる意義」を探すために演奏をしている、という雰囲気が感じられます。メタ的な観点の演奏と言えるでしょう。私はラトルという指揮者も全く評価をしていませんが、彼はとりあえず「古典」に対して彼なりに意味を求めようとして(そしてあんなヘンテコな演奏になって)いるところは、まあ分かります。
しかし、ドゥダメルは、完全にベートーヴェンを舐めきっていますね。モーツァルトはハイドンなんか、絶対録音しないでしょう。それでいいんだと思います。ずっとベートーヴェンやハイドンじゃないだろうという世代が出てこないと、本当の意味で「クラシック」は進歩してゆかないと思うし、そういう意味で、私はラトルよりドゥダメルを応援しています。
だから、中途半端に、興味のない楽曲を録音しないでほしいですな。もっと自分の興味をひかれるものを録音してほしいと思います。
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
ドゥダメルはロスフィルで収まる指揮者ではありません。
使えないラトルの後任としてベルリンフィルの音楽監督に推薦します。
この人の音楽には血があり肉があり心があります。
ラトルを早く退任させてこの人にベルリンフィルを任せます。
ラトルはバーミンガム市響程度の力しかありません。