ルトガー・ハウアー 危険な愛 [DVD]
1973年作品。本作は日本では劇場未公開であり、長らくここ日本ではどんな形での紹介もされて来なかった。そのため、欧州の若き鬼才ポール・バーホーベンの名前は、日本では全く知られることがなく時が過ぎ、80年代中盤以降、ビデオ時代になって漸く、数々の作品がソフト化され、その全容がつかめるようになったという次第である。
本作は1974年の米国アカデミー賞の外国語映画賞にまでノミネートされた、作られた当時は衝撃的に受け止められた作品である。
本作は監督バーホーベン、撮影監督ヤン・デ・ボン(その後ハリウッドに渡り『ダイ・ハード』等、そして監督に職業替えし『スピード』『ツイスター』等の快作を作る)というその後も名コンビを組む2つの若き才能ががっぷり四つに組んだ最初の作品で、その才能を画面の隅々からほとばしらせている必見の恋愛映画である。
男女間の愛憎を描くためにその愛欲の赤裸々な描写までを過激かつスキャンダラスに描写する映像作家としてはそれまで、ケン・ラッセルやベルナルド・ベルトリッチ、ロマン・ポランスキーらが知られていたが、バーホーベンはそれに肩を並べる存在であったのに日本では長らく看過されてきた、というわけだ。
しかしただ、描写が過激だけなだけなら低俗な露悪趣味映画になってしまうところだが、そこに優れた考察を行っている脚本に基づいたしっかりした内容のドラマが伴っているから、本作は時代を超えた作品として今日、鑑賞に堪えうるのだ。
個人的にもバーホーベンのとりこになった最初の作品。それに比べれば、ハリウッドに渡ってからの作品は余りに軽い(描写だけは残酷だが)。
バーホーベンの映画は今日まで確認できるものでもわすか14本(多少ずれているかも知れない)。こんなに少ない作品数で大巨匠の貫禄を漂わせている監督はほかにあまり居ない。オランダ時代の作品はほとんどが日本では劇場未公開だが、どれも一度はソフト化されており、必見作。小子は(未公開作で入手しそこねた)1作を除いて、バーホーベン映画は全部、見ている(しかも繰り返し)、というぐらい好きな監督の一人。
小子は本DVDと、米アンカーベイから出ていた輸入盤のDVDも米amazonから購入済み。いずれもビスタのスクイーズ収録で、米盤の方が画質がいいが、この日本盤も満足できるレベル。
『ロボコップ』ブルーレイ盤のレビュー書いたら、さっそく不参考評だけ連投するボンクラ連中がいたので、本作のレビューを書きたくなった(だからamazonさんよかったね)。ボンクラは先にこういう映画を見るほうが良い(そうするとボンクラ度が薄まる)。
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番&第5番
聴くととにかく最高に爽やかな気分になれます!爽やかなモーツァルトの作品の中でも、ヴァイオリン協奏曲3番と5番のカップリングもベスト!曲自体も爽やかですが、ベル君の美しく軽やかな演奏は、もったいぶったところがなく、聴く者の心を本当に晴れ晴れとさせてくれます。
私は長距離ドライブに行く時はよくこのCDをかけますが、長時間の運転の疲れも吹き飛ばしてくれる爽やかさです。ずっと聴いていても飽きません。青く晴れ渡った空のもと、緑の牧場の中を駆け抜ける、そんな時にはぴったりの音楽です。そばに牛たちなんかがいた時には、「ほらほら、牛さんたち、聴いて~!」と窓を開けて、ベル君のモーツァルトを聞かせてあげました!家で聴く時も、そのような爽やかさが心の中で広がる素晴らしい演奏です。
最近モーツァルトが流行っていますが、これは最高に素晴らしいものだと思います。絶対に必携の一枚です!
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」 ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
小澤征爾とモーツァルトというと、どうもあまりぴんと来ない……正直なところ、それまでそういう印象があったのは事実である。実際、あまり良い演奏にお目にかかった記憶がない。
しかし、この演奏はどうだろう。比較的小編成と思われるが、この水戸室内管弦楽団がまだ余力を残しつつ全力を出し切ったジュピター、甘美なトルコ風協奏曲、きらりと輝く逸品である。
さすがにこういう演奏となるとSACDは強い。一般的な印象と違って、CDよりもSACDの方が甘美さと伸びやかさにおいてまさっている。