奥さまは少女 (MUJIN COMICS)
著者の3冊目。
潜在型感染性不妊症の流行により新生児の激減にみまわれた、そんな時代を健気に生きる少女たちのエロ心とトキメキで綴った物語『奥さまシリーズ』は、『奥さまは少女』『奥さまはブルマ』『メガネの奥さまもブルマ』『奥さまのヒミツ』『奥さまはパーティー』の全5話。
愛を探すために調教師の血族を棄てた男に涌いて溢れた娘たち。激エロドラマ『エロをとり戻せ』。
お忍びでやって来たオタク王女と側近のオチャメなラブエロ『アキバの休日』。
後天性性転換症の男女のお話『男の子←→女の子』。
性的嗜好の不一致で別れた夫婦によるそれぞれの愛の形『お父さん調教中』。
事故が産んだ精神の病に身動きすることを拒否しつつも大人になることを望む少女の破滅へのカウントダウン『足音』。この作品だけは相当にハードな鬱系です。
絵本形式に近い大人の童話『魔女の呪い』。
ラスト2作は一般的にみて実験的過ぎるかもしれないけど、いかなる作家であっても枠にははまって欲しくないと常日頃から思ってる私にとっては歓迎したい内容でした。
『奥さま』シリーズの分厚さが圧巻だけど、他の短編だって負けないくらいパワーに満ち溢れてます。
ドラマとエロのバランスも良く、キャラの表情や心理描写の奥行きも抜群です。
物語派の方と心情描写派の方へは特にお薦めの一冊。
奥さまは魔女 [DVD]
「恋人たちの予感」(脚本のみ)、「めぐり逢えたら」、「ユー・ガット・メール」の、素敵でロマンティックな恋物語の担い手ノーラ・エフロンと、飛び切りの美貌と演技力が際立つニコール・キッドマンが組んだロマンティック・コメディといえば、本来なら期待十分なのだが、残念ながら、凡庸な出来映えだ。そもそも、人気TVシリーズのソープ・コメディをリメイクする事に無理があった様に思えてならない。誰もが知っているストーリー、仮にオリジナル版を知らない者でも、簡単に話が読めてしまう展開。ならば、そこにたどり着かせる為、どんな手練手管で楽しませてくれるのかがポイントになる筈なのだが、マイケル・ケインやシャーリー・マクレーンといったシャレた名優たちを脇に置いているにも拘らず、中途半端でヒネリもない。ウィル・フェレルは、どう見てもミス・キャストだし。現実同様、人気同名TV番組をリメイクする中で、人間社会で生活したいと考える本物の魔女が、主役に抜擢されるという設定のみが面白い様では、、、。フランク・シナトラ、ルイ・アームストロング、エラ・フィッツジェラルド、ナタリー・コールと劇中歌として使われるBGMのセンスは相変わらず素晴らしいのと、鼻をピクピクさせるあの有名なシーンのみならず、目ん玉グリグリまでやってみせたニコール・キッドマンの女優魂に敬意を表して、★1つオマケ。
Bewitched Forever: The Immortal Companion to Television's Most Magical Supernatural Situation Comedy
日本語版は手に入れていたのですが、どうしても洋書版を購入したくてアメリカのアマゾンに注文をしたのですが、廃刊になっていまいした。しかし新に手を加えて発売されたと知り、日本のアマゾンで洋書も購入できると聞いて注文してさっそく辞書片手に奮闘しております。魔女ファンも英語に触れてみたい方もおすすめな一冊です。