雅子さまと「新型うつ」 (朝日新書)
香山先生は、最近増えている「新型うつ」についてこの本で書かれている。それが雅子様に当てはまるのかどうかは自分にはわからないが、少なくとも従来の鬱病とは違うタイプの「新型うつ」が増えてきている(あるいはそう診断されるケースが増えてきていると言った方がいいだろうか)ことはよく理解できた。社会環境の変化に伴って増えてきた、という意見にもうなずける。認知行動療法についても簡単な説明があり、ああ、こういうものなのか、と理解はしたが、ひとりの精神科医だけが携わってできるものではないな、と感じた。あまりにもひとりの患者に時間がかかりすぎ、今の3分間診療の状態では無理があると思う。まさにチーム医療が必要な分野なのだろう。
次に、雅子様の関係の記述について。雅子様の主治医の大野裕先生。自分はお名前は存じ上げているが、どういった方かは全く知らないし、著書も読んだことはない。「認知行動療法」なるものについての知識も自分にはない。その大野先生に「適応障害」と診断された雅子様。しかしそれは診断名にすぎず、病名はおそらく別にあるのだろうと素人ながら思う。
週刊誌やら関連書籍から現状を知るしかない一般庶民としては、「症状がひどいときはとても人前に出られる状況にない」などという記事を話半分にでも信じるより他にないのだが、雅子様が悩まされている身体症状については、いろいろな本で読んだり知り合いたちが苦しんだりしているのを見ても、完治はかなり難しく、うまく付き合うしかないのが現状の、いわば「慢性疾患」に近いものではないかと思うし、誰もが味わう可能性のある症状だと思う。ただ、ひとつ疑問に思うのは、周囲の知り合い達は「私的な外出もままならない」のに対して雅子様は、公務や宮中祭祀には出席できないが、私的外出は比較的元気にされているという報道もなされていること(それが本当かどうかは自分にはわからないが)。さらに間が悪いといつも思うのは、大切な行事がある時期にご静養に出かけられる、といったこと。ご静養は大切かと思う。ただ、せめて時期をずらせないものか。結局、どうすればいいのか。わからない。いくら考えても。
Princess Masako: Prisoner of the Chrysanthemum Throne
和訳本を発売中止にさせたり、オーストラリア政府に圧力をかけたりしては、本の宣伝をしているようなものです。
こねくり回した表現や難しい単語は少ないので、電子辞書が側にあれば楽に読めます。
皇族方の描写に、畏れ多くて日本人なら書けないというところはありますが、例えば妃たちが皇室に嫁ぐ前はどれほど快活で、まっすぐな視線で意見を言っていたかということを際立たせる表現と理解すれば、それほど眉を顰めることではないでしょう。
インタビューをした相手や、批判ばかりしている侍従や、係わった医師の実名も出ているので、調べればどの程度の信憑性があるかはわかると思います。
心を病んでいる人に、わがままとか怠け者とか言うことばを平気で投げつける人たちに是非読んで欲しい本です。
雅子さま論争 (新書y)
皇室という「日本一の旧家・名家の長男の嫁」である雅子妃に対するバッシングへの、各界各氏の擁護論、メッセージが面白い。
一般的に、女性は結婚に至るまで・結婚後に言われ続ける事(バッシング)はこんなもの。
高学歴で仕事ができれば、生意気
婚期が遅ければ、負け犬
結婚すれば、子供はまだか
子供を産んでも、一人っ子は可愛そう
女の子を産んだら、次は男の子を・後継ぎを
子供ができないのは、嫁の体が弱いから
子育て・家事をきちんとこなしていても、家で遊んでいないで外に出て働け
仕事で頑張っても、家事がおろそかになるような仕事をするな
女なんだから主婦業もきちんとこなせ
長男の嫁だから、法事(冠婚葬祭)は全部出席して段取りをしろ
長男宅に男子がいないから、二男宅の男子を養子にして後を継がせる etc
雅子妃へのバッシングを、一般庶民のバッシングと同等に考えるのもおこがましいが、上記のような言われ方とさほど変わりがないような気がする。自分の生活レベルに引き下げて考えて、雅子妃が適応障害に陥る図式を想像しただけでも痛ましい。
本書は、森暢平、香山リカ、白河桃子、水無田気流、小田嶋隆、湯山玲子、信田さよ子各氏の皇室論。
この中では、特に白河氏の「私たちはみな「プチ雅子さま」」と小田嶋氏論が面白かった。
各氏が論じている内容で、多く共通している点は皇后が結婚した時代と、雅子妃が結婚した時代の大きな違い。
戦後、何もかもが壊れた時代だったからこそ、民主的で新しい皇室像・家族像のモデルになり、当時の皇太子夫妻の行動・言動が、国民の好意をもって受け止められた点。
皇后があまりにもスーパーな存在であるがゆえの雅子妃の苦悩。
きらびやかなキャリアを積んできた雅子妃とは違い、紀子妃が若くて就労体験がなく結婚をしたから、皇室に適応できたという点は、常日頃感じていたこと。
皇室外交で自らのキャリアを生かせると思ったから、結婚を決意した(皇太子の「一生全力で守る」というプロポーズを信じた)のに、自分の能力を生かす機会がないことは、雅子妃には本当に不運な事。
「子供を産む機械扱い」をされて、「後継ぎも産めない役立たず」「公務をおろそかにする」「仮病」という、あらゆる批判の盾になって妻の心のケアをする夫、プロポーズの言葉を守り続ける「皇太子に男らしさ」を感じたという、信田氏の一節は心に残った。
転職も離婚も転居もできない、閉塞的で光明の見えない状況の渦中であろう雅子妃。
小田嶋氏が唱えた冗談めいた提案が実現できれば、少しは楽になる?
プリンセス・マサコ―完訳 菊の玉座の囚われ人
一言でいえば宮内庁批判の本です。それにつきます。雅子妃について、いかに宮内庁の犠牲者になったかという視点で書かれています。
記述の一部に、外国人にありがちな勘違い・偏見・傲慢さ・事実誤認がありますが、それはたとえばニューズウィークに記事に比べて突出したものではありません。まあ、外国人が書いた物ならこの程度だろうなという感じです。
この本の意義は、スキャンダルなど何も書かれていないこの程度の内容ですら、宮内庁は発禁処分にしたことでしょう。日本の女性週刊誌が長らくかき立てた根拠のない雅子妃批判・美智子妃批判を放置しておきながら、いざ自分たちが批判されたとなったら途端に外交問題にしてまで右往左往したわけです。この一連の騒動によって、宮内庁がどのような存在かが私達日本人に暴露されました。宮内庁の圧力に屈した講談社は恥を知るべきですね。
TOY BOX~ソロデビュー20周年記念 テレビ主題歌&CMソング集~(通常盤)
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