Versus
1993年作、3作目。基本的には前作を踏襲しつつ、若干ロック色を強めた感じ。
この時期はコバタケと共作しているが、彼のイメージと違って、アルバム曲の作曲に関わっている。ミスチルの作風を広げる手伝いといったところでしょうか。
versusというアルバムタイトルとは裏腹に、本作の目玉はやはりベストアルバムにも収録された4.8.10といったポップスでしょう。
この時期の特徴としてはズバリ、CROSS ROAD以前、という点です。つまりブレイク以降の100万枚売れるようなスケールの大きな曲…ではなく、
「62円の値打ちしかないの?」と歌うような「等身大な若者の曲」に留まっていて、それがポップスの甘酸っぱさをストレートに表現することにつながっているように感じます。
ここからは個人的見解ですが、本作のMVPはコバタケではないか、と思います。アルバム最後のmy lifeは曲自体の良さもありますが、
当時のコバタケサウンドの粋を集めたようなアレンジとなっていて、素晴らしい出来なのです。
イントロのマジカルな感覚からすごい。凝っていながらもユーモアを忘れないハーモニー展開、からのグロッケン+ムーグのフレーズ。そこからのブレイク!
曲を彩るピアノやシタールの音色。曲終盤の展開も圧倒的であまりにも出来すぎていて怖いぐらいです。
そして長期休業前の作品で最も私が衝撃を受けたのが実は5.マーマレードキッスのイントロ。あのフレーズのハーモニー感覚とシンセの音!
イントロ大王として名高いコバタケですが、あれはさすがにタナボタなのでは、というほど飛び抜けています。
最近のミスチルってなんか微妙という声がよく聞かれますが、試しにこの時期の作品を聴いてみてはいかがでしょうか。
初期の作品を聴いたあとで最近の作品を聞き直すと、こういうことがやりたかったのかと腑に落ちる部分が確実に増えます。
ドットハック セカイの向こうに + Versus Hybrid Pack ハイブリッドパック (通常版)
とりあえずゲームの方の感想に絞ります。
割と期待以上の出来でした。全体的に同社開発のナルトっぽいですね。
演出のテンポが良くて、超必殺技でもさっくりシメるのがいい感じ。グラフィックの質は相変わらず高いと思います。
RPGじゃないので途中から作業染みてくるのと、やっぱりキャラが少ないのが難点。
で、問題はオンラインモードで、ネットゲームモチーフのゲームなのにネットワーク周りが酷いって何の冗談なのか。
アンテナ3本で1秒近くラグる(場合がある)って相当ですよこれ。
おかげで対応できない攻撃がかなりありますし、プレイヤーもあまりいません。ゲーム自体は予想外に楽しめたので、非常に惜しいです。
VERSUS ヴァーサス [DVD]
ゴダールが自作にこの中のシーンを引用している。
「よくできた映画でね」とインタビューでも語っている。
それでこの作品の格が上がったというわけではないけど、
ひとつの象徴としての挿話。
役者も監督も当時全員無名。
製作費は小規模ビデオ作品としてスタートした低予算。
あったのは、スタッフ・役者など全員のやる気と集中力、
自分たちの可能性を狂暴なほどに信じた一途さだけ。
出来上がったのが、これ。問答無用の入魂インディーズ作品。
監督は、この映画が完成したら、即ハリウッドから電話が来ることを確信していた。
河原で主人公が最初に刺殺されるシーンは
『ハイランダー』へのオマージュで、カット割りなどすべて同一。
ラストバトルをしめくくる360°撮影シーンは
当日機材が到着してたまたま撮ってみたカットだった。
編集作業は日本を代表する編集技師・掛須秀一氏が“出世払い”で参加。
作品のクオリティアップに大きく貢献した。
監督とラインプロデューサーは英語が話せるので、
海外の映画祭で登壇すると受けが非常によかった。
海外用のセルビデオ(DVD)には、
超過激なオーディオ・コメンタリー(英語版)がついている。
などなど、神話やエピソードに充ち満ちた、時の彼方で真空パックされたような、
いつ見ても新鮮な魅力でいっぱいの作品。