ヴィヴィアン・ウエストウッド DO IT YOURSELF! [DVD]
前作「1970s−1990」に続いて2作目となる英国ファッションデザイナー・ヴィヴィアンウエストウッドのドキュメンタリー。
前作はヴィヴィアンが「Vivienne Westwood」の世界観を確立させるに至った歴史や逸話を中心に語られていたのに対し、今作はその世界観の発露たるファッションショー、特に「2010年春夏」と「2010年秋冬」の2シーズンに的を絞り、その舞台裏によりスポットを当てた作りとなっている。
シーズンテーマの着想からキーとなるドレスの制作、モデルやショー音楽の選定、繰り返されるフィッテング等、普段見られないブランド内部の喧騒が親密な視線で記録されている。最先端のファッションが生み出されるスタジオやヴィヴィアンの自宅内部も垣間見れるが、どちらもとても素朴で牧歌的ですらあるのには驚いた。
博識な文化人である彼女の思想が大いに語られるのは前作同様。
前作では「英国」と自身のクリエイションとの関係性に重きが置かれていたが、今作ではよりワールドワイドに、「既存の世界」とそれに対する自身のクリエイションの在り方についての深い見解が伺える。ファッションショーを初めとして舞台での演説やテレビ番組への出演など、様々に形を変えながら人々に「本当に知るべきこと・考えるべきことは何か」を気付かせようと挑戦し続ける不屈の精神には本当に畏敬の念を禁じ得ない。
彼女が公私を共にするパートナー、アンドレアス・クロンターラーの活躍も見所のひとつ。
彼と接している時のヴィヴィアンは先生であり師であり、また母のようでも祖母のようでもあり、そのどれでもない恋人のようでもある。初めて見た時はあれだけ「自分と彼とはこんなに違う」と言いながら(アンドレアスも「僕と彼女はこれだけ違う」と散々アピールする)よくパートナーシップが築けるなと思ったりもしたが、そういった「違い」とそれを凌駕する「繋がり」を併せ持つからこそ、複雑怪奇な「Vivienne Westwood」を回していけるのだろうな、と妙に納得してしまった。
研ぎ澄まされた知性。アナーキストとしての根性。アートを探求しつづける感性。
「Vivienne Westwood」に感じる魔力じみた魅力は、ヴィヴィアンが持つ魅力そのものなのだということを再認識させられた。
その所以を存分に感じ取れる良いドキュメンタリーとなっている。
欲を言えばメンズラインである「Vivienne Westwood MAN」などの他ラインについての言及も欲しかったけれど、彼女の真髄はGOLD LABELにこそある、ということなのだろう。ともあれ、ファッションやクリエイションを愛する人なら、たとえヴィヴィアンのフォロワーでなくとも楽しめるはずである。
(余談だが、2010A/Wのフィナーレでヴィヴィアンが履いてたタータン柄の靴、スリッパみたいだけど丸っこくて可愛いなと思っていたら本当にスリッパだったのね。こういう気の抜き方はいかにも彼女ららしい。)
Vivienne Westwood RED LABEL 2009 SPRING&SUMMER COLLECTION (e-MOOK)
ヴィヴィアンが大好きなので予約購入しました。本としてみたらかなり高いと思いますが、付録の鏡やステッカーにコレクションのパンフが付いていたと思えば、これもありです。行きつけのショップからのダイレクトメールやパンフでは見られないスタイリングが載っていて私は気に入っています。
Vivienne Westwood 1970s-1990 [DVD]
今まで、ヴィヴィアン関連のものは書籍でしか見たことがなかったので、ドキュメンタリー形式のこのDVDは見応えが!!かなり有り☆★☆★☆
ヴィヴィアンの哲学が語られる★個人的にお薦めの一本!
Vivienne Westwood (Va)
ロンドンの誇るファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドの作品集。彼女のこういった本は以前にも何冊か出ていたと思いますが、今買うとするなら、勿論こちらをお薦めします。
V&A ミュージアムでの回顧展にあわせて刊行されたものらしく、彼女のデザイナーとしての足跡を伝える書物としては最高の出来映えでは無いでしょうか。パンクファッションを創りあげ、ストリートとモードを結び付けた第一人者であり、どのデザイナーよりもクラシック且つ、高度な服作りを見せる、と云った具合に世に名が知れ渡ってから現在までの功績が多岐に渡るためか、今まではどこかに偏った資料が多かったように思うため、ファッションを勉強している方や、ヴィヴィアン・ウェストウッド作品の変遷を目で楽しみたいという方には、是非お薦めしたい一冊です。決して小さいサイズではないにも拘らず、値段が手頃なのも魅力です。