飛び出せ!青春 Vol.1 [Blu-ray]
「太陽がくれた季節」の旋律が流れるたびに、青春の熱い1ページが甦ってくるようなそんな不思議な感覚に包まれる・・。「飛び出せ!青春」は青春ドラマの金字塔であり、また教育ドラマの原点でもあるような気がする。村野武範扮する河野先生に憧れて、現実の教育界に飛び込んだ人も多かったのではないだろうか。偽りのない裸の心で真摯に生徒たちと向き合っていく河野先生の姿には、時代を超えた理想の教師像を見る思いがする。
第1話「レッツ・ビギン」から、いきなり熱い青春活劇が始まる。新しく赴任してきた河野先生と、石橋正次扮する高木というリーダー格の生徒との火花を散らす熱いバトルは見応え十分だ。個人的には、第4話「やるぞ見ていろカンニング」もお薦めのエピソード。生徒役として、後に熱中先生として一世を風靡する水谷豊も出演していて見事な演技を見せている。とにかく全篇、熱いドラマの連続で泣き笑いが随所に鏤められた傑作だ。
MFシリーズ/MFコンピレーション 熱血先生グラフィティ-学園ドラマ ミュージックファイル-
95年に同様の企画で「青春ドラマシリーズ ソングブック/これが青春だ」というオムニバスCDがキングレコードから発売されていたが、今回は主にコロムビア音源を中心とした学園ドラマの主題歌・挿入歌集。
キングの「青春ドラマシリーズ ソングブック」でのブックレットは各番組の紹介と歌詞の掲載データが少々のみだったが、この「熱血先生グラフィティ」は収録作品の放送リストや挿入歌の使用話数と挿入歌の使用回の言及など、より細かい部分を押さえたブックレットが充実している。音質もデジタル・リマスタリング作業によって過去のオムニバス盤より遥かに向上。
青春ドラマの主題歌集は手垢が付いた企画ではあるが、独自の工夫も見られる。
トラック7、9、12、13、22~24は初CD化の音源であり、懐かしドラマファンは勿論、中村雅俊ファンにとっても必聴盤であろう。
ただこのアルバム内の『熱中時代』『スクール★ウォーズ』の主題歌は急遽収録が決まったようで、ブックレットに放送リストも掲載されていないのが惜しい。
俺たちの旅 Vol.6 [Blu-ray]
日テレのあの時代の名作ドラマが今回 Blu-ray化して発売されます。BDの大容量を利用しての旧作テレビドラマのソフト化が大々的に始まったようです。うれしいですね。井の頭公園、トランザムの音楽、ほろ苦く懐かしい青春ドラマです。
私は中学の時再放送で見たクチなのですが、俺たちの旅は奔放に生きるカースケ、気弱だけど優しいオメダ、ダメなんだけどなぜか良くもてるグズ六さんの3人を中心に彼らを取り巻く人々と彼らと出会う様々な人たちとの出会いと交流、楽しいことや苦い経験を描いた青春ドラマです。
10年ごとに制作された続編も今回最終巻には収録されるそうです。カースケと洋子の恋愛は「十年目の再会」の時、描かれた物語で胸が痛くなりました。小椋佳さんの「少しは私に愛をください」が挿入歌で流れ
「やさしくしないでよ、私にやさしくしないでよ!」と砂浜で逃げ出す洋子。彼女にはカースケたちと歩んだ青春の日が懐かしく、そして切ないのでした。青春の日をともに歩んだからこそカースケに飛び込めなかった自分。振り返る青春の日は、人生のすべてではなく彼らにとっても今も続く人生の旅なのです。
「年をとる度に寂しさは増していく。されど心は俺たちの旅」
ずいぶんあの日から遠くへ来てしまいましたが、こうして再びソフト化されることで一つの時代の雰囲気が甦るような気がします。1巻ずつゆっくり購入していこうと思っています。
先日ラジオに出演した田中健さんが「実はまだ終わっていないんですよ。40年目にやりたいと思っているんですよね。」とおっしゃっていました。楽しみですね。