おしん 完全版 試練編 東京・佐賀 [DVD]
関東大震災前後の日本が良く描かれている。
近代化に驀進する東京。
保守的農村佐賀。
様々な価値観の葛藤。
田中おしんは強く健気に苦難を乗り越え成長する。
2011~2015大地震が再び日本を襲う!
民間の地震研究者にして、予測成功率が80%異常という著者が、その予測手法を公開している。
大学の研究者や気象庁が膨大な予算をもらいながら、「東海地震が今後30年間に起きる確率は87%」などという使えない予測しかできないのに対し、地震雲や電波の乱れなどの現象と地震発生の関連を地道に調査することから高い精度の予測を可能にした。
特筆すべきは、東日本大震災の20日ほど前に、著者が「熱線」と呼ぶ、日本列島ほども長さのある直線上の雲状のものが、太平洋から福島県を越えて伸びている衛星写真であろう。
これがどの様な原理で発生するのかは分からないが、何らかの物理的力が働いていることは確かだろう。
プレート同士の力のバランスの観点で地震を理解する「連鎖理論」も、次の地震発生地点を予測できるという点で興味深い。
この本を読むと、これからも当分の間は大きな地震が続くであろうことが理解できる。
これまで地震は予測できないと思い込んでいたため、この本によって今後の予測ができるようになったことは、例え大きな地震が来るとは言え安心感につながる。
この様に実績を出している研究者にこそ国は予算を配分すべきである。
著者の言うように、国から予算をもらっている地震研究者は一体何の目的で役に立たない予測を行なっているのか、変な勘ぐりをしたくなってしまう。
三陸海岸大津波 (文春文庫)
明治二十九年と昭和八年の三陸海岸の地震と大津波、昭和三十五年のチリ地震津波の被害を交通が不便にもかかわらず、バス、汽車を乗り換えながら一ヵ月以上かけて現地取材している。明治の津波被害の生存者は八十五歳を越えて、取材には苦労があったらしい。著者は、四方八方に目が届いた取材となり、自画自賛に近い満足感をあとがきで述べている。
明治二十九年でも前回の安政三年の津波から四十年を経ていて、古老の記憶もあいまいになって、“よだ”と地元で呼称された地震津波のよる甚大な被害から逃れることができなかった。五十メートルの高さもあったという言い伝えもあり、ところによっては標高百二十メートルにあった家屋まで津波が届いている。
大災害の記憶が残る昭和八年には、津波の到来を予測して山に逃げる人が多く、人的被害が減少した。そして東北の漁村の湾の入り口に大きな防潮堤が築かれるようになった。それでも太平洋の彼方から押し寄せる地震という予兆のない津波を予測するには時代を経る必要があった。それがチリ津波の教えたものであった。
現代では、プレートテクトニクス理論に基づく地震発生のメカニズムが解明されてきており、人工衛星による地震津波の観測網も整備され、一時代を画すような地震対策がとられている。それでも油断すれば、インドネシアのように災害は繰り返される。
人知を超える自然のエネルギーを前にすれば、万全という予知・対策はない。三陸海岸の津波の歴史は海に囲まれる日本国民すべてが共有すべき記憶であると、著者は訴えていると考えられる。